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ウィステリア・ピアノクラス ♪WISTERIA Piano Class♪

  • 追いかけっこ?! Chasing the keys?!

    数カ月後に、ピアノ独奏のステージを控えた生徒がいます。今回その子が演奏する曲は、通常5分程度で演奏されます。ところが、前回のレッスンでは一曲弾き通すのに、12分を要してしまったため、テンポを上げるように指示しました。 すると、今日のレッスンで彼の指は驚くべき速度で動き始め、それはまるで「突風」のようでした!言う間でもないことですが、速度に対しての行き過ぎた集中は、演奏そのものの安定性を奪ってしまいました。 本番では、速度だけでなく、音楽性、美しさといった他の重要なことにも充分に気を配って演... 続きを読む

    2019年9月28日

  • ペトルーシュカの悲哀

    今日は、ペトルーシュカというピアノ曲をレッスンしました。 『ペトルーシュカ』 (露語:Петрушка, 仏語:Pétrouchka)というと、ストラヴィンスキーが、1911年にバレエ・リュスのために作曲したバレエ音楽として知られていますね。 この音楽にはストーリーがあり、主人公は「おがくず」の体を持つわら人形です。このパペットは命を吹き込まれて恋を知るのですが、正真正銘の人間ではないにもかかわらず真の情熱を感じており、そのために、決して実現しないのに、人間になることを切望するのです。 ペトルーシュカは、いわば... 続きを読む

    2019年9月27日

  • スタインウェイとヤマハのハイブリッド?

    先日、リメイクされた中古スタインウェイを購入された方のピアノに、ピンブッシュがあることに気づき不思議に思いました。 ヤマハなどのピアノであれば、弦を交換する際にピンブロックごと新しくしますが、スタインウェイのピアノは、直接ヘキサグリップピンブロックにねじ込んであるので、ピンブッシュなるものは存在しません。 アグラフなどの交換をする時点で、スタインウェイフルコンのD型でピンブロックを入れるケースは殆どないそうですが、A型ではあり得るそうです。 元々ピンブロックが付いているヤマハCFⅢSをオー... 続きを読む

    2019年9月26日

  • アイラのピアノ

    ラプソディーインブルーなどで有名なジョージ・ガーシュイン(アメリカ・1898~1973)は、実は、「ピアノの練習嫌い」な子供でした。彼の両親はジョージが生まれる8年前に、ロシアから移住してきました。 彼は貧民街で育ち、音楽にはほとんど興味を示すことはなく、そもそも学校を嫌っていたのです。彼は、野球をしたり、近所を走ることの方を好みました。 ある日、彼は友人のバイオリン発表会に行き、そこで瞬時に音楽に魅了されたと言われています。 ジョージの両親は、彼の兄、アイラ(1896~1983)のためにピアノを購入しまし... 続きを読む

    2019年9月25日

  • 秋分の日

    今日は秋分の日ですね。私が勤務するインターナショナルスクールでは、いつもの通りレッスンがありました。 そのあと、祝日しか来ることの出来ない日本の学校の生徒さんも、自宅レッスンにいらっしゃいました。 中学受験で平日も土日も塾通いで忙しい中、どうしてもピアノを続けたいというご希望のお子さんたちですので、私も祝日を全て返上してレッスンを行っています。 中学に上がってもピアノは続けると宣言してくれているので、私も張り合いがあります。受験も大変ですが、陰ながら応援しています。頑張ってね! 続きを読む

    2019年9月23日

  • A Wind of Change! 変化した風!

    Today I had two new air-conditioners in the piano room and the adjoining music room put in. Though the old ones had been in feeble condition since a few years back, it was very difficult to get new ones due to the complex pipe arrangement. Without further ado, I now have two new air-conditioners! I believe all the students will enjoy playing the piano more in these cool conditions! さきほど、レッスン室と隣接する音楽室のエアコン設置作業が終了しました。 2,3年前からエアコンの... 続きを読む

    2019年9月22日

  • ピアノの寿命?

    スタインウェイのピアノは一生もちますか?という質問を受けました。 これには、個体差や使い方などに影響されるので、イエスかノーかで答えることは出来ません。 同ブランドの設計は、張力が低いスケールが支柱に支えられるようになっています。これは耐久と言う面では確かにプラスの要因です。 しかし、ベヒシュタインという別の一流ブランドのピアノはどうでしょうか?これは、他メーカーに比べて張力を高くしてあることで知られています。 では、このピアノの寿命が短いのかと言えば、そうとは言えません。ベヒシュタ... 続きを読む

    2019年9月21日

  • テーゲンの謎解き

    スタインウェイのピアノを所有されている方が、テー弦に交換したと仰っていたので、「テー弦とは何だろう?」と疑問に思っていました。 その謎がやっと解けました。「デーゲン、Degen」という銅線ブランドだったのです。スタインウェイ ハンブルク工場では、レスロー社の鋼線にDegenの銅線を自社で巻いて、低音の巻線を作っているのです。 私も以前の国産のセミコン・グランドピアノの中高音域を、レスロー弦に張り替えたことがあります。その時の技術者から、低音域を交換すると大変な費用がかかると言われたので、その部分だけ... 続きを読む

    2019年9月20日

  • 待ち遠しいね!

    「増税前にピアノを購入したい」というご相談を複数件頂いております。 皆様にご認識頂きたいことは、ピアノは手作りの楽器であり、注文してからすぐに手に入る物ではないということです。 量産品と言われるピアノは工場で大量生産されていますので、比較的、納期は早いですが、楽器は長く使う物ですし、急いで購入するのではなく、じっくり時間をかけて選んでいただきたいと願っています。 先日は、ボストンのグランドピアノを試弾に行かれた方と、ヤマハのアップライトピアノを試弾された方からお話を伺いました。 ボス... 続きを読む

    2019年9月18日

  • 田んぼの中のカンパネッラ?!

    成人してからクラシック音楽が好きになったという方と、お話ししました。 「ピアノの音に病みつきになっていて、特に、リストのラ・カンパネラが大好きなんです。」と仰いました。そして、「カンパネラは田園という意味で、ヨーロッパの広大な風景を、リストがピアノで表現したんです。」と続けられました。 私はそのとき黙っていようかどうしようか迷ったのですが、つい、「イタリア語のcampanella(カンパネラ)は、「田園」じゃなく、「比較的小さめの鐘」や「つり鐘」を意味します。」と言ってしまいました。 パガニーニ... 続きを読む

    2019年9月17日

  • 艶のあるピアノがお好き?

    増税前ということもあってか、このところピアノご購入になる方が増えているように思います。 まず、グランドかアップライトか、どのブランドにするのか、サイズやシリーズを選んだあとに、皆様がお悩みになるのが外装(塗装)です。 もちろん、お部屋に合わせてお好みの色のピアノを置くのが一番ですが、実は、外装は「音」と関係するのです。 音を感じるということには、単に「聴覚」だけでなく、「視覚」が多分に影響しています。 黒・鏡面艶出しのピアノを見ながら聞く音は、重厚で深みのある音のイメージになりますし、... 続きを読む

    2019年9月16日

  • カシューナッツのピアノを弾こう!

    「どうしてピアノは黒いのか・・・?」 皆さんは、こんなことを考えたことがありますか? 実は、かつてのピアノは木目調だったのです。 19世紀前半までに製造されていたピアノの多くは、木目調でした。 18世紀にあっては、ピアノの上蓋や側板が、天使や植物などで彩られているものが多いですが、それは、「そのような装飾を通して、音楽以外の教養や趣味の高さをアピールする」という意図があったからです。 18世紀から19世紀にかけては、「金色の縁取りがなされる」など、装飾に手をかけたピアノも沢山作られました。 ... 続きを読む

    2019年9月15日

  • 元祖・きらきら星

    「きらきら星にはオリジナルと変奏曲の二通りがあるのですか?」という質問を受けることがよくあります。 この曲のオリジナルは、実は、「きらきら星」でも「変奏曲」でもなく、フランスの古いシャンソン、Ah! Vous dirais-je, Maman(ねえ、ママ聞いてちょうだい)なのです。 https://www.youtube.com/watch?v=eT5pw8E5IYE この旋律をテーマに、アマデウス・モーツァルトが変奏曲として創作したものが「きらきら星変奏曲」(12 Variationen über ein französisches Lied "Ah, vous dirai-je, maman)として、現在よく知られて... 続きを読む

    2019年9月15日

  • 石で造られた建造物

    作曲家の團伊玖磨氏は、その著書の中で、「ピアノは三十畳敷の広さがある石造建築物の中で弾くためにヨーロッパで発達した楽器で、日本の家屋で使うのは風呂場で野球をやろうとするのと同じくらい無謀なことだ」と仰っています。 それをお読みになった方が、「うちには30畳の部屋がありません。ピアノは習えないんでしょうか?」と、不安げにお尋ねになりました。 ピアノは欧州発祥の楽器ですが、石で作られた建造物の歴史が如何なるものであるかは、皆さま周知のことと損じます。 そのため、2畳の子ども部屋にアップライ... 続きを読む

    2019年9月14日

  • ロゼットとわたし

    グランドピアノの大屋根を開けてみると、中がよく見えて面白いですね。 ピアノの金属フレームにあいている孔がありますが、私のピアノはそれが丸型になっています。 それで、今まですべて「丸型」と信じていたのですが、実は、三角や四角いものもあります。 それで「丸と四角でどう違うのか?」と聞かれたのですが、これについては、各メーカーが試行錯誤を繰り返しており、明確な情報は提供されておりません。 「スタインウェイの音量が大きいのはフレームに空けた穴の形なのだ」「フレームを止めているネジが音量や音色... 続きを読む

    2019年9月13日

  • 暗譜のはじまり

    昨日は、暗譜についてお話ししましたが、独奏では暗譜、伴奏では譜面を立てるという習慣は、そもそもいつから始まったか皆さんご存知ですか? クララ・シューマンというピアニストは、作曲家ロベルト・シューマンの奥さんで、独奏曲を暗譜で弾くことを創始した人です。 当時は、譜面を立てて演奏する行為が、作曲家に対する敬意と思われていたため、彼女のスタイルは音楽家の間に、大きな反感を巻き起こしました。 しかし、後世のピアニストたちがクララのやり方に従ったことは、音楽史を振り返る中で非常に興味深いことだと... 続きを読む

    2019年9月12日

  • 音は聞くもの?感じるもの?

    古い欧州製のピアノは、木目調のものが圧倒的に多いですね。それらは値段が高いということで、敬遠されがちですが、「塗装」というものは外見だけでなく、実は「音」にも関係してくるものなのです。 また、音を感じるということには、単に「聴覚」だけでなく、「視覚」が多分に影響しています。黒・鏡面艶出しのピアノを見ながら聞く音は、重厚で深みのある音のイメージになりますし、木地仕上げのピアノからは温かみや華やかさをイメージする方が殆どだと思います。 実際問題としましても、鏡面艶出しの硬い塗装のピアノは、「華... 続きを読む

    2019年9月11日

  • 113年前のプレイエル

    スタインウェイC227をお持ちのお宅に、最近では1906年製のプレイエルが、新たな家族として迎え入れられていました! プレイエルはショパンがとりわけ愛したピアノですね。1926年アメリカ株の大暴落の影響を受けて以来、曲折した運命を辿ってきたプレイエルですが、現在では中古ピアノしか見ることが出来なくなりました。 一部の愛好家の間で人気があるアンティークピアノ(所謂100年もの)は、オーバーホールをすればなかなか味のある音色のピアノに仕上がることがあります。 しかし、ピアノは構造が複雑ですので、内部に膠(... 続きを読む

    2019年9月10日

  • 130歳のお誕生日おめでとう!

    130歳のスタインウェイによるピアノコンサートがありました。 実際にピアノがこんな長く耐久するのか?という疑問は、皆さんお持ちになると思います。 主催者の方は「枯れた音?」を良いとお考えになっている方で、現在の私たちが思いがちな「甘い音」とは反対の傾向をお持ちです。 古いピアノはメンテナンスが大変であることはご存知の通りなのですが、もともと上質で高価なピアノに関してはまだ演奏が可能なことがあります。 しかし、普通の家庭で維持することが出来るような代物ではなく、あくまでも「展示」「イン... 続きを読む

    2019年9月9日

  • 楽しむことと学ぶこと

    昨日は、教育系の大学で音楽を学ばれている方の初レッスンを行いました。 楽曲を演奏するだけでなく、ソルフェージュや即興演奏など、色々なことに興味をお持ちで、バランスの取れた音楽力をつけたいとお望みになっていることが、よく伝わってきました。 楽譜を見て音を出すだけの視覚的練習に頼ってしまうと、本来の「音を楽しむ」というピアノの醍醐味が半減してしまいます。 創造性や表現力というものは、「楽譜に書いてあるから」という理由だけで演奏していたのでは、身に着けることは出来ません。 運指法についての... 続きを読む

    2019年9月8日