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東区健軍ハートピアノ教室

  • クラーマー=ビューロー

    《クラーマー=ビューロー》とは、クラーマーが作曲した84曲の練習曲から、ハンス・フォン・ビューローが60曲を選び、曲順や運指を編集しなおした練習曲集のことです。  クラーマー(Johann Baptist Cramer 1771〜1858)はマンハイム生まれ。クレメンティに師事し、ピアニストとピアノ教師として活躍。ロンドンにて87歳没。  長生きでしたので、なんとベートーヴェン(1770~1827)と同時期に生まれながら、ショパン(1810~1849)より長生きしてしまうという 続きを読む

    2023年10月15日

  • 当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集 第17回 第9番ホ長調フーガ

    HEART「フーガには厳かで近寄りがたい雰囲気の曲もありますが、この第9番ホ長調フーガは踊りだしたくなるような楽しくて明るい曲です。」 美香「生命力にあふれていますね。バッハにもこんな楽しい曲があるんですね。」 HEART「三声で書かれていますが、さあテーマは見つけられますか?」 明夫「はいっ。♪♩~と元気に出てくるところですね!ここバイって(^o^)丿テーマが言いよるみたいですバイ」 HEART「大正解。このテーマは♪♩~から始まるのですが、どこまでなのかは色々な解釈があります。①2小節目の頭ま... 続きを読む

    2023年9月30日

  • ブランデンブルグ協奏曲

     街で真新しいリクルートスーツ姿に履きなれないパンプスで歩く就活生を見かけます。入りたい会社への熱い思いを胸に頑張っているようです。  さて、ヨハン・セバスティアン・バッハも1717年から23年間、ドイツのケーテンで宮廷に勤務して給料をもらうサラリーマンでした。  しかし、自分の才能をもっと開花させるためにも、そしてバッハ家の経済的問題解決や自らの信仰のためにも、もっといい職場が欲しい…。彼はもっと条件の良い働き口を探して、常に転職を試みました。  この《ブランデンブルク協奏曲》... 続きを読む

    2023年9月15日

  • 水の上の反映

     ピアニストの小川典子さんは、子供の頃ホールでアンドレ・ワッツ(アメリカのピアニスト,2023年7月没)の弾く、《映像》第1集“水の上の反映” (Reflets dans l'eau)を聴いて衝撃を受けたそうです。   この曲は、フランスの作曲家ドビュッシーが1905年頃に作曲しました。水の様々な姿やその時の光や空気感を音で表現した音楽で、微妙なニュアンスがグラデーションのように浮遊し、まるで水面や水の粒々を見ているような、本当に魔法のような響きです。  美しく透明感のあるアンドレ・ワッツの音は、時に力強く... 続きを読む

    2023年8月23日

  • 夏の野外コンサート

     夕方まだ陽が明るい時間にスタートする夏の野外コンサートは、涼やかな風と共に陽気に始まります。  やがて一日の終わりを告げる太陽が、暗くなっていく森や街並みとアンサンブルを奏で始めると、まるで別世界へ連れていかれるような夜の音の世界へと姿を変えていきます。  そんな世界の夏の野外コンサートのひとつ『パリ祭コンサート』で演奏されたラモー作曲の《未開の人々》は、物悲しい響きのメロディーと、思わず踊りだしたくなるような太鼓のリズムとで作曲されています。  作曲者のジャン=... 続きを読む

    2023年8月1日

  • 夏の思い出

     《夏の思い出》(江間章子作詞/中田喜直作曲)は暑い夏に涼風を運んで来る曲です。避暑地の尾瀬に美しく咲く水芭蕉の花が涼しそうに描かれていて、夏が来るとなぜか口ずさんでしまいます。  この曲は、聞きなれたメロディーのパートと、下の音域で書かれたパートとの二部合唱アンサンブルになっていて、ハモる体験のために音楽の授業でよく上下のグループに分かれて歌います。  相手につられない事にばかりに気が行きがちですが、実はよく聴いて歌った方がうまくいきます。声は微妙なピッチの調整ができるので、完... 続きを読む

    2023年7月30日

  • 青い鳥

     「“青い鳥”っていうお話を知ってる?」とレッスン中に尋ねると、突然の関係ない話に生徒さんはだいたい目先が変わって目をキラキラさせてくれます。しかし一見関係なさそうな話のしっぽは大事な大事な結論を言う、と決まっておりますです。(ちゃーんと手ぐすねを引いておるのですよ)  ピアノを弾く時にはただ音を鍵盤で鳴らすだけではなく、情景や色々な気持ちを想像しながら弾いた方が曲の表現として生きたものになります。曲が難しいと、つい弾くことに精一杯になってしまいがちですが、「ここのメロディーはど... 続きを読む

    2022年5月14日

  • 私の好きな曲㉑ タレガ作曲 涙 Lágrima

     人の涙は感情と結びついていて、それを見ている人をも同じ気持ちにさせるので、テレビを見ていて涙することもしばしばです。  《涙》はスペインの作曲家・ギター奏者のタレガ(1852年- 1909年)が作曲しました。彼は“ギターのサラサーテ”(サラサーテはバイオリンの名手)と言われるほどの超絶技巧の持ち主で、作品には技術的なものだけでなく更に高い精神性をも追求しました。有名曲には《アルハンブラの思い出》があります。  私はギターが弾けませんが、静かな沁み入る音色、和音をかき鳴らすときの情熱的な表... 続きを読む

    2022年4月30日

  • 『木菟』三好達治作詞・中田喜直作曲

     このところ夜になると「ゴロスケホゥ」とフクロウの鳴き声が聞こえてきます。図鑑には《多くは森林にいるが神社などの林にも現れ床下などに巣を作ることもある》とあります。まあ神社が好きなのね、と外を眺めながら、姿は見えないフクロウの声に耳を澄ませます。(ピアノ教室は健軍神社そばなのです)ミミズクとフクロウは微妙に違う種類のようですが、夜行性で肉食なことは同じのようです。(ここではフクロウと呼んだり木菟と呼んだりすることにします。)  そんな夜、思い出す曲は『木菟』(ミミズク) 三好達治作... 続きを読む

    2022年4月15日

  • 『羊は憩いて草を食み』(Schafe können sicher weiden)

     J.S.バッハは、いい加減な態度で音楽をすることを断固として許さなかった人でした。同い年の作曲家ヘンデルはドイツからイギリスに渡って華やかに活躍しましたが、バッハは一生ドイツにとどまり宮廷に仕え、深い信仰心をもって“音楽の職人”としての人生を貫きました。その揺るぎのないバッハの音楽は今でもすべての人の心に響き渡ります。  バッハは20歳代後半に《宮廷音楽家兼宮廷オルガニスト》としてワイマールのヴィルヘルム・エルンスト侯爵に仕えます。1713年に侯爵の御供をしてヴァイセンフェルス(ドイツ東... 続きを読む

    2022年3月31日

  • モーツァルトが可愛がったムクドリ

     朝、ウグイスの鳴き声が聞こえました。よく聴いていると個体別に微妙に鳴き方が違います。「ほけきょおおお~~」(俺様はいい男だぞ~~)とドヤ鳴くのがいたり、「ホケキョッ!」(付き合おョ!)とキュートに鳴くのもいたりして面白いです。鳩も庭の木に頻繁にやって来て、巣を作ろうと様子をうかがっているようです。  モーツァルトはムクドリを飼っていました。名前はシュタール。九官鳥と同じで、聞こえるものの真似をする性質があり、彼のメロディーを覚えて歌ったと言われています。(すでに店で彼のメロディー... 続きを読む

    2022年3月5日

  • ピアノを鳴らす

     私は音楽大学受験を考えていた高校3年生の春に、「君は手が小さいからあきらめたほうがいい。」と、志望校のピアノの先生に言われました。運良く受験は通りましたが「音自体の貧弱さ」という悩みは常についてまわりました。  和音がうまくつかめないのでどんなにffを感じていてもピアノが鳴ってくれません。結果的に倍音が少ない音しか出せないのでレガートの弾き方も全然出来ませんでした。  そんなうつうつとしたある時、同級生でいつもピアノの試験の点数が1番のA子ちゃんの手を見る機会がありました。彼女の... 続きを読む

    2022年1月30日

  • 手が小さい

     手が小さくて広がらないとうまく和音が届きません。それに響きも悪く、力まかせに弾いていると故障してしまいます。 私も手が小さいので、音数が多く和音が広がる曲には苦労します。  例えば、下から♯ファラ♯ファの和音、 ド♭ミドの和音などは、肩が上がってしまったり広がらない指がなかなか定位置に行ってくれなかったりします。    私の音大受験の試験曲のひとつはベートーヴェンのピアノソナタ第18番でした。冒頭の和音は小さい手にはとても弾きにくく、当時のピアノの先生から「受験はあきらめた方がいい。」... 続きを読む

    2022年1月10日

  • 譜めくりストの秘密

    「ちょっとHEARTさん、プログラム6番のA君の伴奏者の譜めくりしてくれない?」 声楽の発表会ではそれぞれにピアニストがついてきていて、お互い急に譜めくりし合うことがよくあります。(ななめ後ろで待機していて両手がふさがっているピアニストの楽譜をめくってくれる助っ人です。譜めくりストと呼ばれます。) 「この曲は、ただめくってくれればいいから。」 という時はほっとするのですが、曲によっては 「これね、ここリピートして戻る場所は2ページ目のここ。で、4ページ目まで行ったらダルセーニョで3ページがば... 続きを読む

    2021年12月15日

  • 白昼夢⑧

    2021年11月。熊本市の公園では銀杏の葉が夕日で黄金に輝いています。ジョギングを楽しむ人の横を歩いているとベンチから呼び止める声が…。 ___________________________________________________ 男「ボンジュール、マドモワゼル。貴女の髪、トレビア~ン。亜麻色で美しい。」 私(まあ、おでこさんのフランス人。目はちょっとにらんでいるみたい。にこりともしないわ。それにちょっと肥満気味かも。私に声かけているのかしら?) 男「音と香りは夕暮れの大気に漂っています、マドモワゼル。グラナダの夕暮れも美... 続きを読む

    2021年11月29日

  • 当たってくだけて平均律クラヴィーア曲集 第14回 コーヒーブレイク

    HEART「皆さん発表会やコンサートで演奏される機会があると思いますが、今日はちょっとバッハをお休みして“緊張”について考えてみましょう。」 明夫「あ~僕も一回だけ大人のコンサートに出たばってん、緊張して手が震えて弾くどころじゃなかったですばい。」 美香「それに緊張すると血が指まで届かなくて冷たくなっちゃうんですよね。」 HEART「緊張しない人ってあんまりいないんですよ。舞台を指して『あそこは人生で最も孤独なところだよ』と言ったのはホロヴィッツ。『あそこはゴルゴダの丘なのだ』と言ったのはギ... 続きを読む

    2021年11月15日

  • 沁みとおる音

    京都のお寺の映像のBGMにモーツァルトが流れています。ふと昔の人の耳に聞こえていた音に想像をめぐらします。現代人は騒音に慣れていて、耳がよく言えばタフ悪く言えば鈍感になってきているのかもしれません。  目をつぶって音だけに集中すると、本当にいろいろな音が聞こえてきます。鳥の声、飛行機の通る音、車のエンジン音、道路を通り過ぎる人の話し声、樹々が風にそよぐ音、お布団をたたく音、キッチンの冷蔵庫の音、換気扇の回る音、そして自分が呼吸する音…。街に出ればトーンも種類ももっとたくさんの音が押し寄... 続きを読む

    2021年10月1日

  • ショパンが愛した人 ジョルジュ・サンド

     肖像画の中でショパンの愛人ジョルジュ・サンド(George Sand、1804-1876)は、花の髪飾りを付け大きな目でじっとこちらを見ています。美しく吸い寄せられそうな瞳の中に、ショパンがこの女性に惹かれたものを見いだしたくなります。彼女は6歳年上。バツイチ。男性のペンネームを持つ女流作家。そして二人の子供を自分ひとりで育てるという自立した女性でした。  ショパンはサンドへの第一印象を「その表情には共感できない何かがあります。近寄りがたい人です。」と述べています。しかし、第一印象の悪さは愛の裏返し。... 続きを読む

    2021年10月1日

  • 私の好きな曲⑳ フォーレ作曲 月の光 Clair de lune

     秋になると月が冴え冴えと輝きます。月の音楽はたくさんありますが、フォーレ作曲《月の光》も好きな曲のひとつです。  この曲はもうピアノの前奏からして歌のようです。ヴェルレーヌの書いた歌詞は知らないうちにすうっと入ってきていて、歌声はまるで違うラインを奏でます。ところがそのメロディーは「サヴァ?一緒に参りましょうか…。」と言って手を差し出しているように自然とピアノと溶け合って一緒に歩きだし、踊りだすのです。歌詞のフランス語は流れるようにするするっとたくさんのことを言えてしまう言語。『... 続きを読む

    2021年9月29日

  • ショパンコンクール予備予選

    テレビで反田恭平さん(二年前の番組の再放送)を拝聴しました。FAZIOLI(イタリアのピアノメーカー)の4本ペダルを器用に操って、弱音から迫力のある音まで幅広い表現力でショパンを熱演されていました。反田さんと言えば、一年延期になった第18回ショパン国際コンクールが今年開催されます。予備予選(7月にインターネットで配信された)通過者にはもちろん反田さんのお名前もあります。 予備予選の課題曲は ♬ノクターン(夜想曲。ショパンが確立したジャンル。抒情的な美しいメロディが主だが、中間部に激しい部分を持つこ... 続きを読む

    2021年9月13日


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