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ショパンコンクール予備予選


テレビで反田恭平さん(二年前の番組の再放送)を拝聴しました。FAZIOLI(イタリアのピアノメーカー)の4本ペダルを器用に操って、弱音から迫力のある音まで幅広い表現力でショパンを熱演されていました。反田さんと言えば、一年延期になった第18回ショパン国際コンクールが今年開催されます。予備予選(7月にインターネットで配信された)通過者にはもちろん反田さんのお名前もあります。

予備予選の課題曲は
♬ノクターン(夜想曲。ショパンが確立したジャンル。抒情的な美しいメロディが主だが、中間部に激しい部分を持つことが多い。)
♬エチュード(最高難度のピアノ技術を駆使された全24曲の練習曲。高い芸術性も兼ね備えている。)
♬マズルカ(祖国ポーランドの民族舞踊をもとにしている。パリへ亡命したショパンの郷愁。)
♬バラード(物語のように自由に羽ばたく曲想。全4曲はショパンの作品の最高峰といわれる。)
♬バルカローレ(舟歌。集大成ともいえる最晩年の名曲。)
♬ファンタジー(幻想曲。ソナタ形式と幻想的自由を合わせ持つ13分あまりの大曲。)

予備予選とはいってもものすごいレベルの高さです。国籍問わずすっかり魅了されました。マズルカとノクターンは複数曲あるので、選曲と解釈に注目しました。マズルカは、抒情的な曲とリズミックな曲の違いの中で、それぞれどうポーランド色を出していくのかに興味があります。また、ノクターンはだいたい弱音で始まるので、その第一音を期待とともに息をひそめて待ちます。ピアノは音域が広く、左手の倍音の出し方や右手の混じり合い方で色々な音色を出すことができます。演奏者の曲への美意識や全体の構想は、出だしの弾き方にもう現れてしまいます。ショパンが愛したのは“闇夜に消えていくような音”…。それを求めて紡ぎだす参加者は、緊張感の中で最高の音を出そうと間合いを入念に取って集中します。無限にある響きの組み合わせの中から自分の頭の中に響いている理想の音を本番の一発勝負で出すのです。

さて反田さんの演奏は、ノクターンの繊細な音色に始まり、マズルカop.56-1冒頭では戸惑いのような繊細さ、op.56-2のリズムとともに心の底から湧き上がる喜び、バラード第2番で吐露されるショパンの心の奥底…様々な響きが千変万化して、心の中まで沁みとおりました。私が言うことではありませんが、FAZIOLIを弾かれていたころに比べても、年齢とともにどんどん進化されていっているのを感じました。他の日本人の出場者も本当に素晴らしく、ピアノからショパンの音の真髄を引き出されていて、ぜひ生で聴いてみたい演奏ばかりでした。

また、ショパンの時代から200年以上経つグローバル社会の現代でも、“音”のチョイスや根っこのところでのリズムの感じ方は、出身国によっても何となく違うように思いました。そして日本人の私が今まで想像もできなかったような弾き方を次々と繰り広げる世界中のピアニストには本当に心を奪われます。そこにその方の個性も加わって、聴きなれたはずのショパンの作品が様々に違う風に輝きだします。

ステージは相当暑かったそうなのですが、反田さんは汗っかきでらっしゃるようでタオルは必需品。(二年前のビデオを見ても大汗をかいておられました。結構体力が奪われます。)他の日本人も含めて出場者全員の方が体調万全で10月の本選を迎えられることをお祈りしています。


熊本市東区健軍 HEART PIANO ハートピアノ教室

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