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過去と未来を見る月?!

年の初めがどうして一月なのか、お考えになったことがある方は多いことでしょう。

それが「ローマの暦に由来する」という事は、既に皆さまがご存知と思いますが、それ以前においても「暦」という概念が存在しました。

古代オリエントにおいては、エジプト王朝の神秘学派、パレスチナのエッセネ派、ギリシャのオルペウス派やデルポイ神殿の学派などが存在し、これらの学派の間では、「春分の日が一年の初め」と定められていました。つまり、新年の始まりは、「極寒の時期が終わって訪れる時期」「昼と夜の長さが等しい日」「太陽が真東から昇る日」が、冬から春への交代日、すなわち新年の初めとされていました。

この時期は、長い冬の静寂の後、初々しい生物の姿が自然界のあちこちで躍動を始め、人々の心には「過去に別れを告げて前進したい」という思いが満ちます。

ですから、古代において、春分の日が一年の始まりに定められていたのは、とても自然なこですね。

一年を区切るこの方法は、やがて古代ローマにも受け継がれて一時期使われていましたが、ロムルス(ローマの建国者とされる伝説的人物)の暦には、一年が10カ月しかなく、冬の日付がないことから、 不便さを否めなかったことにより、後のローマ皇帝ヌマ・ポンピリウスは、11番目の月ヤヌアリウス(Januarius)と12番目の月フェブルアリウス(Februarius)を加えました。

それまでは、父の軍神マルスに因んで、一年の最初の月にはマルチウス(Martius)という名が付けられていましたが、2ヵ月ずれることにより、現在の3月(March)の語源になっています。

この「ヌマ暦の改革」が行われたのは、紀元前153年のことです。ヤヌアリウスとは、ローマ神話の出入り口の神「ヤーヌス」(Janus)に捧げられた月、即ちJanuary(1月)の語源になります。この神の特徴は、「前後に2つの顔をもち、過去と未来を見ている」ことです。

この「過去と未来」という言葉が、「行く年と来る年」として解釈され、また、このヤーヌス神は「物事の始まりを司る神でもある」ことから、ヤヌアリウスが一年の初めの月に定められました。(ヤーヌス神の像は「二つの顔を持つヤーヌス神」として、現在でも「バチカン美術館」にあります。)

この改革以来、一年の初めは「現在の一月(January)の最初の日」とされてきたのです。


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