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初心者に適したグランドピアノは?

先日、グランドピアノに買い替えたいという初心者の方より、お勧めの機種情報などの質問を受けました。

ピアノ歴があまり長くない方でしたら、品質の面やメンテナンスのしやすさなどから、現行モデルの中では、ヤマハのCXシリーズが無難と申し上げました。

中古であれば、旧モデルとしてのヤマハCシリーズの中で、2008年5月まで限定販売されていた「artistic edition/アーティスティックエディション」という記念モデルがお勧めです。

この機種は、同メーカーによるワンランク上のSシリーズと同様、響板やワイヤーの品質が厳選されており、低音部の巻線は職人さんの手によって張られているなどのこだわりがあるため、現行のCXを上回る音質や表現力があると思います。

しかし、これは量産品でないため、中古ピアノショップで見かける機会はあまり多くありません。しかも、中古ピアノについては、ひとつ前のQ&A(初心者に適したアップライトピアノは?)の中に書いたとおり、選定が非常に難しいことを知っておく必要があります。

型名についている末尾の数字は、大きさを表すものですので、設置環境に合わせてお選びになるのが良いですね。

もちろん、サイズの大きいピアノはより豊かな表現力を持ちますが、ピアノは楽器本体だけでなく、部屋全体の環境(天井の高さや壁の材質など)によって音が決まりますから、諸々の条件を重ね合わせて総合的に判断することが大切です。(極端に奥行きが短いものについては後述します。)

「記念モデル」と言えば、A1E(ヤマハ)という中古の小型グランドピアノをショップで見かけたことがあります。これは、現行のGB1Kの前モデルであるA1の限定機種になります。

グランドピアノとしては安価であるこれらの機種が、通常、「シングルハンマー」であるのに対し、このピアノは「オールアンダー」を使用してあるなどのことから、非常に心地良く試弾させて頂きました。

シングルハンマー、セミアンダー、オールアンダーとは、ハンマーヘッドのフェルト部分の構造についての用語です。

このピアノ(A1E)はさほど年式が古くなかったにも拘わらず、低音弦(巻線部分)を総交換してから販売するといったお店の方のご説明に疑問を抱いたのですが、後日、調律師の方とお話しするうちに、これらの機種は「設計」と「巻線が張られる工程」という二つの理由により、ボンセンになりやすいということでした。

ボンセンというのは、本来なら「ボーーーーーン」と鳴るべき音が「ボン」と、あたかも弦楽器のピチカートのような音を出す状態になる症状のことです。

1本がボンセンになると、他の弦までが早期にそのようになることが多いですから、ついには弦のセクション交換が必要になってしまいます。そうなると、購入価格は安くても後々の費用が大変になりますので、私はこれらの機種の購入をご検討になっている生徒さんには、必ずそのことをご説明するようにしております。

また、アップライトピアノは7,000~8,000点くらいの部品から出来ているのに対し、グランドピアノは約10,000点もの部品から成り立っています。このことは、言う間でもなく、グランドピアノとアップライトピアノの価格差の理由のひとつです。

しかし、ここで、「グランドピアノがグランドピアノである根拠は何なのか?」という質問を、皆さんに投げかけたいと思います。

それについての答は、何よりも、「コンサートホールでの使用に耐えるだけのクオリティーの実現、および演奏家や上級者の要求に応えるべく、価格を抑えることより、良い音を追求すること」にあるのです。

ですから、無理な設計で単に平型にした物や、極端に生産コストを抑えたグランドピアノは、もはやその根拠を満たしていません。

高級な縦型ピアノの方がそれらの平型ピアノより良い音を出す理由は、材質や設計はもちろんのこと、熟練した職人による手作業などの工程などにあります。(安価なアップライトピアノは、工場での量産体制のもとで作られます。) 

また、アップライトピアノより弦の短いモデルや鍵盤の長さ(見えない部分を含む)がじゅうぶんでないグランドピアノでは、期待されるようなタッチ感を得ることは出来ません。

また、極端に高価なモデルは、楽器が演奏者のタッチ(良いものも悪いものも)を覚えてしまう、或いは、本来の良い音を出すようになるまでに、年月を要することなどがあるため、基本的には、初心者の方の練習用に適しません。

外国製のピアノの中には、名器と絶賛されているものもありますが、それらの多くはメンテナンスが非常に大変ですから、ピアノに熟知している人でないと、長くご愛用頂くことが難しいと思います。

ピアノは購入した後、愛情豊かに育てていくという意識をもって接していると、グランド、アップライトを問わず、楽器自らが良い音を出して、演奏者を楽しませてくれるようになりますよ!

当教室へのお問い合わせにつきましては、レッスン中で電話に出られない時間帯が多いため、090-9326-9217宛に、SMSにて、連絡のつくメールアドレスをご通知頂くなどお願いしております。

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