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ヘンデルとジェネンズのエジプトからメサイヤへの共創

皆さん、こんにちは!昨日は、ヘンデルの「メサイヤ」の作曲を思い立ったのはヘンデル自身ではなく、作詞者のジェネンズであったことをお話ししました。

そのあたりの事情は、ジェネンズが友人に宛てた次の手紙の内容から察することが出来ます。「ヘンデルは次の冬は何もしないと言っていますが、私が彼のために作った聖書の記述に基づくもう一つの台本に曲をつけ、彼自身の利益のために受難週間に演奏するよう、説得できることを願っています。そして彼が才能と熟練のすべてを傾注し、題材が他のどれよりも卓越しているがごとく、音楽もこれまでの彼のどの作品をも凌駕することが私の望んでいることです。その題材とはメサイアです。」これは、1741年7月10日ジェネンズが、友人のエドワード・ホールズワースに宛てた手紙の一部です。

ヘンデルが創作していた従来のオラトリオの題材は、旧約聖書に基づくものでしたが、「メサイヤ」では新約聖書の主人公であるイエス・キリストをテーマとしています。

ジェネンズは内容のすべてを新約聖書から取ることをせず、イエスの事跡が旧約聖書の預言の成就であったという論法を用いて、台本中の言葉そのものは旧約聖書から引用しました。

ジェネンズはこの作品を「エジプトのイスラエル人」(1739年作)の連作と考えていたようです。「エジプトのイスラエル人」というのは、かの有名な映画であるチャールトン・ヘストン主演の「十戒」と同じ背景です。これは、「モーゼに率いられてのエジプトを脱出するイスラエル民族」を描いたものです。

その様子を語るのが旧約聖書の「出エジプト記」ですが、このエジプトでの奴隷生活が終わるのが紀元前13世紀頃とされており、モーゼからイエスまでの間は千年以上の時間があるのです。その間にはバビロン捕囚など旧約聖書に書かれている出来事も数多くあるのですが、ジェネンズのインスピレーションを掻き立てたのは、やはりモーゼの次はイエスであったがために、その二つを連作とイメージしたのではないかと思われます。

ヘンデルに関する次のブログ記事では、『ハレルヤ』のところで聴衆が立ち上がる慣習が生まれた背景についてお話しします。お楽しみに!

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