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ヴィヴァルディの春と西風のソネット:音楽と神話の交差点 - 第四章

みなさん、こんにちは。今日は、ピアノ発表会でもよく取り上げられるヴィヴァルディの名曲「春」について見ていきたいと思います。この曲は、もともとヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』の第1番目の曲で、春の風景や情景を描写したソネットという詩に基づいて作曲されており、西風の役割や魅力を音楽に表現しています。

ソネットとは、イタリア語で「小さな歌」という意味の詩形で、14行からなり、特定の韻律や韻脚を持ちます。通常、ソネットは、問題の提示とその解決という二部構造を持つことが特徴です。ヴィヴァルディの「春」に付されたソネットは、各楽章に対応する3つの部分に分かれており、春の風景や西風の役割を詳細に描写しています。ソネットの作者は不明ですが、ヴィヴァルディ自身の作という説もあります。

ソネットの中で、西風はゼフィロスと呼ばれています。ゼフィロスは、ギリシャ神話に登場する西風の神で、春の訪れを告げる神として知られています。ゼフィロスは、美しい花の女神クロリスに恋をし、彼女を妻にしたという伝説があります。ゼフィロスは、春の花々を咲かせる力を持っているとされ、花神フローラの別名でもあります。ゼフィロスは、ヴィヴァルディの「春」のソネットにも登場し、春の風景を彩る神として歌われています。以下に、ソネットの原文と日本語訳を示します。

La Primavera
Allegro
Giunt' è la Primavera e festosetti
La Salutan gl' Augei con lieto canto,
E i fonti allo Spirar de' Zeffiretti
Con dolce mormorio Scorrono intanto:
Vengon' coprendo l' aer di nero amanto
E Lampi, e tuoni ad annuntiarla eletti
Indi tacendo questi, gl' Augelletti;
Tornan' di nuovo al lor canoro incanto:


快活に
春が来たので、鳥たちは楽しそうに歌って
春の訪れを祝う。
西風が吹くと、泉は
甘いささやき声で流れ出す。
黒いマントで空を覆って
選ばれた雷と稲妻が春を告げる。
それが静まると、鳥たちは
再び歌い始める。

ヴィヴァルディは、ソネットの内容を緻密に音楽に表現しようとしました。例えば、第1楽章の冒頭では、弦楽器が西風を模したような軽やかな音を奏でます。また、独奏ヴァイオリンが小鳥のさえずりを模したような高い音を弾きます。このように、ヴィヴァルディは春の訪れを告げる西風の優しさや華やかさを音楽に表現しました。明日は、ドビュッシーのピアノ曲から西風の別の性質をご一緒に見ていきましょう。

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