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シャムの双生児

他教室の生徒さんより「薬指が弱い」という悩みのご相談を受けました。これはピアノを勉強する方々が、必ずと言ってよいほど直面することだと思います。
 
私たちは、「そもそも薬指は生まれつき弱いものである」ということを知らなければなりません。

小指も弱そうに見えますが、物を握るときに力が入ることで分かるように、日常生活の中で鍛えられているのです。

その点、薬指は動きだけでなく強度においても優れているとは言い難いです。

私たちはピアノを弾くにあたって、「薬指は弱くて動きにくいもの」という前提に立たなければならないのです。

ショパンは、自身の中指と薬指を、「シャムの双生児のようだ」と表現しました。双子のシャム猫は互いに離れようとせず、いつも一緒にくっついていることから、「薬指はなかなか中指から独立しない」と、自分の指の状態を皮肉たっぷりに比喩したわけです。

ピアノの名手と言われたショパンでさえ、そのように感じていたわけですから、私たちがこの問題に悩まされたとしても、別段驚くことではありません。

他の指以上に訓練が必要になってくることは当然のことですが、意外なことに、ショパンは薬指を特別に鍛えることには難色を示していたらしいです。

彼は「その曲に合った指使いを探る」など、音楽的な理由を、メカニック的側面の優位に置きました。それは、「薬指は弱いものだから、鍛えることよりも合理的に使うことを考えよう」という考え方の上に立つものです。

現代では、かつての「ハイフィンガー法」と称される演奏法ではなく、「重力奏法」という腕の重さを利用したものが主流になっています。ですから、薬指の打鍵力が弱いことそのものは、さほど演奏に支障をきたすものではないのです。

ただし、指に腕の重さを支える力がなければ、しっかりした音は出てきません。

その場合、リズムを変化させることや、単に薬指を意識して練習するよりも、薬指を鍵盤に留め置いて他の指を動かす方が効果的です。
その他には、薬指に腕の重みを乗せて鍵盤をトン・トンとタッチしてみて、その際に重みを受け止めるのに必要な強さを指先や指の関節が備えているかどうかを確認しつつ、毎日トレーニングを続けることも有効性があります。その際、少し手首を振って反動をつけるなどしてバリエーションを加えてみても良いでしょう。そうした準備運動を行った上で音階を弾いてみて下さい。

ただでさえ弱い薬指ですから、指の独立運動だけで打鍵すると最悪の場合、手を傷めてしまうことも考えられます。ですから、腕の重さを乗せるという合理的な演奏法をマスターすることをお勧めします。

正しい方法で練習することによって、きっと成果を得ることができます。

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