日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

ウナギと音楽 その2(続編)

皆さん、こんにちは!
前回お話しした「うなぎ」を題材にした曲というのは、下記の作品です。
フランソワ・クープラン作 クラヴサン曲集 第4巻 第22組曲 4.うなぎ No.22-4
Couperin, François:Pieces de clavecin quatrieme livre Ordre "L'anguille" No.22-4
「かっこう」「蝶々」「ます」「つばめ」「白鳥」といったタイトルの作品については、多くの方々に馴染みがあることでしょう。しかし、「ウナギ」となるとご存知ない方も少なくありません。
この曲は「ピアノ独奏曲」としての楽譜にも収録されていますが、クープラン(1668-1733)の時代にあってはピアノという楽器は未だ完成されておらず、もともと前身であるクラヴサン(チェンバロ)という鍵盤楽器のために創作されたものです。
クラヴサンはリュート(ギターに似た古楽器)に鍵盤を付けたものですので、ハンマーダルシマー(または鉄琴)に鍵盤が付いているピアノとは構造も音色も異なります。
「ウナギ」という曲には速いパッセージが連続的に用いられており、「言われてみればウナギかなあ。」と半ば納得しないでもないのですが、「先入観なしにこの曲の主題がウナギであると分かる人はいないだろう」というのが正直なところです。それは、ウナギが泳ぎを得意としない魚であって、素早い動きをしないため、この曲の持つスピード感との間に隔たりを感じたからであると思います。ウナギの遊泳方法は「蛇行型」と称されるものであって、体をくねらせ波打たせることによって推進力を得るものです。ですから、クープランが実際にウナギの動きを観察した上でこの曲を創作したのかどうかは疑問です。
同作曲家は18歳のときにパリ右岸(セーヌ河より北に位置するエリア)にあるサン・ジェルヴェ教会のオルガニストに就任していますから、職場又は自宅近くのセーヌ河に生息するウナギを見る機会があったことは推測されます。
次回は、「ウナギと音楽 最終回」です。
良い一日をお過ごし下さい。


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓
↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント