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音の色彩⑤ 黄色い声 (最終回)

先日、友人との会話の中で、「黄色い声」という言葉を耳にしました。
甲高い声のことをそのように表現しますので、一般的には女性または子どもが興奮したときに発する音声を指す言葉です。
「でも、どうして黄色じゃないとならないの?」という疑問が湧きました。
そこで、語源と由来について調べてみたところ、次のことが分かりました。
まず、平安時代以前にあってはお経には声の高低が伴っており、それを音譜の代わりに墨で文字の横に書き込むといった手法が採られていたこと、及びその墨の色は様々であり、最も高い音は黄色で表されていたということです。
次に、江戸時代に声を色で表すことが流行った時期があり、白い声など全5種類の声が存在していたことが分かりました。
式亭三馬(しきていさんば)の諧謔本「浮世風呂(うきよぶろ)」の中に、「気のきかねへ野郎どもだ。黄色な声や、白っ声で、湯の中を五色にするだらう。」という一文があります。
ここでの「黄色」は、ただ事でないときや耳障りなときに使う声を表現しています。
因みに、「湯の中を五色に」の5色は、青(緑)、白、赤、黒、黄の5種類ですが、江戸時代以降、黄色以外は流行から淘汰されてきました。
ただし、力んで出す甲高い声という意味の「白声(しらこえ・しらごえ)」いう当時の表現は、日本伝統芸能の一部で用いられる特徴的な発声として今でも使用されています。
三つめの説として、「黄」という漢字が持つ意味に由来するというものがあります。
この文字には、「子ども」「明るい」「興奮した」「危険」「注意」といった含みがありますが、これは昔の中国においては、「黄」は「ただごとではない」という意味であったことに由来します。
さて、諸説出揃ったところで、「黄色い声」の持つ音のイメージを具体化したいと思います。
高い声にも沢山の種類がありますが、私はこの表現から、テンションの高い嬉々とした長めの音を連想します。
所謂、「金切り声」と称されるヒステリックな声とは性質が異なるものです。
また、「キンキン声」と言われる響きに欠けた高音とも種類が違います。
類似語としてキャンキャン声というものがありますが、これは不平や文句を言い立てるときの高くつんざくような不快感を持つ語です。
一方、「黄色い声」は楽しさのあまりはしゃぎ回っている子どもたちから自然に出てくる喜びや、箸が転んでも可笑しい年ごろの娘さんたちが、「キャー」という幸せそうな悲鳴を上げるときの歓喜を表すために用いられます。
生徒さんの中には、ピアノを見ると興奮して弾き始めると嬉しさのあまり、演奏が止まらなくなる方々がいらっしゃいます。
是非、黄色い声を上げて、ピアノにラブコールを送ってあげて下さいね!
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