ピアノを続けるというコト

中学生になってもピアノをガンバル！という1年生の生徒さん。
最近、練習量が減ってきたね…？
週に１日しかピアノを弾いていないなんて、
彼女的にも「それは上手になるはずがない」って分かっているはず。
理由を聞いてみると、
「お母さんが勉強優先にしなさいって言ったから…」

なるほどネ。
１学期のテストの成績が良くなかったので、
「勉強しなさい！」とお母さんに言われていたことは、面談で聞きました。

それで、溜まっていた通信教育の課題を
毎日１時間以上頑張っているそう。

立派です！！

彼女は、文化部に入っているので、
部活は週に２回。
勉強を１時間以上したとしても、
ピアノを練習する時間もあるでしょう？

彼女が、
ダラダラと生活して、ピアノをサボっている…
わけではないことは分かっています。
とっても頑張り屋さん！
ピアノが大好きで、もっともっと上手になりたいと思っている！って
いつも言っています！！

そして、とっても素直な子。
「勉強優先」と言われて、
杓子定規に「勉強以外のコトをしてはダメなんだ」と
捉えたんだろうな…と感じました。

ピアノを習った事がない大人の方々は、
ピアノの練習というものは、
「毎日の積み重ねが大事」という事を理解して頂けないことが多いと感じます。
土日に１～２時間やればいいじゃない？…と思っていませんか？
（あと、毎日習い事を入れているお子さんがいますが、
ピアノは週7日の習い事である、と認識して頂きたいと思います。
毎日40分～1時間の練習が必要なのですから。
スイミングのように、お家で復習が必要のない習い事とは違います。
毎日「ピアノ」という習い事がある上に、さらに習い事をハシゴさせているようなものです。
親御さんが送り迎えをしたりして時間のやり繰りは可能でしょうが、
子どもさんの「自分で自由に考えを巡らせる」時間が失われています。
じっくり好きな音楽について考えてみる時間も失われています。
ちなみに、このような生徒さんはピアノは続いていません。
何もせず、ボーっとしている時間が、子供さんにとってどんなに大事な時間か！
子供さんは、この時に自分を見つめる力を養っているのです。）

私達のようなプロは、
練習しなくても上手！と思っていませんか？

私達は、毎日数時間練習しているんですよ！
そして、１日でも空いたら、１日戻ってしまう…
つまり二日分後退するのです。

生徒さんたちには、いつもこのお話をします。
これはピアノに限らず、スポーツなどにも当てはまることでしょう。

毎日３０分でもいいから弾き続けるのと、
土日にたくさん練習して、その後5日間全く弾かないのとでは、
上達過程が全く違う！
という事は、幼稚園から習ってきた彼女は十分に理解しています。

そのお話をして、
「うんうん」と頷いていた彼女。
「今の〇〇ちゃんの悩みを、お母さんに先生からお話しておこうか？」

「大丈夫」と彼女。

中学生になると、皆さん勉強とピアノの両立で悩みますね。
小学生の時よりも時間管理を自分でうまくやらないと、
勉強と部活と、あとゲームやYouTube視聴などの好きなコトをこなせない…。
そこに「ピアノの練習」をどう組み込むか…？

練習しないならピアノをやめなさい！
勉強できないならピアノをやめなさい！

そのようにお家の人に言われて、
「ハイ、やめます」という子が、最近はいないなァ。
（昔はいました。私の育て方が上手くいっていなかったのだと思います。）

時間管理が上手く出来ていないけど、
練習出来ていないけど、
ピアノは続けたい！
目標と自分を見つめる力があるから、このような生徒さんが増えたのだと思います。

練習出来なくても
勉強との両立に悩んでいても、
でも、
「ホントは練習したいと思ってる」
「上手になりたいと思っている」
と、もがいているなら、先生は応援します！

物事の努力に必要なのは「継続」ってちゃんと分かっているのだから！

継続って難しいのよね…
それができる大人がどのくらいいるのかしらね…