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小さい小さいピアノたち

 アメリカのワーク教材の中に、写真入りで「スピネットピアノ」について説明してあるページを見つけました。
 一般的にピアノはグランドピアノ(平形)とアップライトピアノ(縦型)に分けられます。
縦型のピアノを更に分類すると、スピネット、コンソール、アップライトなど細かく分かれていきます。それぞれ音に違いなども出てきます。
 背の低いピアノを単に「スピネットピアノ」と呼ぶ人がいますが、正しくはそうではなく、アクション(鍵盤の動きを伝え、ハンマーを弦まで運ぶ打弦機構)が鍵盤よりも下に下位置しているピアノがスピネットピアノなのです。(初期のハプシコードで1鍵を1弦で鳴らす仕組みの楽器をこの名称で呼ぶこともある。)
 「コンソールピアノ」は スピネットピアノよりも少し大きめで高さが110cmくらいのピアノです。コンソールピアノは小型のアップライトピアノと外見は殆ど同じですが、厳密に言うと、「アクションが鍵盤に直に載っているピアノ」です。
 コンソール・ピアノは見た目がコンパクトなため、インテリアを重視したデザインのものが多く、現在でも生産・販売されています。一方、スピネット・ピアノは30年以上前に製造された中古を除いて、恐らく見る機会はないでしょう。
 現在、最も多く普及している縦型機種を「アップライトピアノ」と呼んでいますが、これは「グランド・アップライト・ピアノ」と呼ばれた時期もありました。この名称の目的は、「派手な響き」です。
 コンソールやスピネットより背の高いこの「アップライトピアノ」は、鍵盤とアクションの間に距離があります。これは響板を大きくすることにより、ハンマーが叩く弦の位置(打弦点)を上に持ち上げる必要があったためです。このように、現在のアップライトピアノが出来るまでには、設計上、試行錯誤が繰り返されてきたのです。
 一時期、演奏者に負担の小さい方法として、鍵盤とアクションの間に「スティッカー」(アクションの下にぶら下がっているもの)という棒が置かれましたが、このスティッカーはで、コンソールピアノに比べて回転軸が1つ多くなり、演奏者の力を伝えるのには良くないため、スティッカーを鍵盤側に移し、材質を金属のワイヤーに変えることでこのロスが解消されました。これが現在のアップライトの原点です。
 現在、主流になっているアップライトピアノの高さは120~130cmで、この高さの差でも演奏者に与える音の印象やタッチ感は大きく変わります。このように「ピアノの高さ」というものは機構上の違いを生むため、それがときに障害となり、常にピアノ製作者を悩ませてきたのです。
 設置環境といった理由により、背の低いピアノを選択される方が増えていますが、120cm未満のアップライトピアノは音の広がりが小さく、タッチの面でも表現力が不足します。外観や住宅事情など様々な条件と重ね合わせて、楽しくピアノを選んで下さいね。
 


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