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ダンブルドアの奇跡

リムスキー・コルサコフ(N. A. Rimsky-Korsakov)の作品に、The flight of bumble bee(熊蜂の飛行)というものがありますが、じつはbumble bee とはクマバチではなく、ドイツ語で言うところのマルハナバチ(hummel)の英名なのです。ですから、訳としては「マルハナバチの飛行」が正しいということになります。

ディズニーの『くまのプーさん』の挿絵に、ハチミツ壷と共に描かれる可愛い蜂は、色パターンの理由により、「ミツバチではなく、マルハナバチなのでは?」との指摘があります。西洋文化の中で、マルハナバチが親しまれていることが窺えますね。

また、ハリー・ポッターシリーズに登場するホグワーツ魔法学校校長のアルバス・ダンブルドアの「ダンブルドア(Dumbledore)」は、古いデヴォンの言葉で「マルハナバチ」を意味します。作者のJ・K・ローリングは、音楽好きで鼻歌を歌いながら歩き回っているイメージを、「ダンブルドア」と名付けたのだそうです。

デンマークのスポーツメーカー「ヒュンメル」は、このドイツ語(発音はデンマーク語に従う)を社名としています。1923年、ドイツ・ハンブルクで、メスマー兄弟がメスマー社(Messmer)創業し、雨の中のサッカーの試合からヒントを得て、泥の中でも滑らないスタッドのついた靴を発案したことにより「今まで不可能であったプレーを可能にした」という点と、「マルハナバチは身体が重いために飛ぶことができなかったが、努力を重ねてついに飛ぶことができるようになった」という逸話を組み合わせて、ブランド名に「ヒュンメルhummel」と命名しました。

「マルハナバチの飛行は航空力学上不可能」とされた時代がありましたが、現在は、レイノルズ数や動的失速(dynamic stall)を考慮に加えた計算によって、かつては、飛行能力の謎とされていた事柄が解明されています。

さて、ヨハン・ネポムク・フンメル(Johann Nepomuk Hummel, 1778年11月14日 - 1837年10月17日 )というスロヴァキア(当時のハンガリー)出身の音楽家の名前も、実は「マルハナバチ」という意味なのです。

フンメルは、ベートーヴェンの葬儀において、棺を担いだ人物であり、故人の追悼演奏会においては、ベートーヴェンの意思を引き継いで、多くの即興演奏をやってのけたほどの実力を持っていた音楽家です。

モーツァルトにピアノを、ハイドンにオルガンを習ったフンメルは、30代にして名声に翳りが出て来ます。59歳にして世を去った彼の人生の背景については、幾多の興味深いものがあります。

ピアノを学ぶにあたって、年齢、経済、体格、才能、所有楽器、練習時間、周囲の理解など、障がいとなる問題を全く持たない人は、殆どいないのではないかと思います。

しかし、マルハナバチの重い身体は、自然界の力学に逆らって空中に上がり、遂には、「飛行」という偉業を成し遂げました。

私たちも、マルハナバチのように、人々に「不可能」と言われても、尚、努力し続ける強さと、音楽に対する情熱を持ち続けたいものですね!


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