日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

ドビュッシー:東洋美術からの音楽的インスピレーション

皆さん、こんにちは!先日ご紹介した写真(ドビュッシーとサティが写っているもので、撮影者はストラビンスキー)と同じ日に撮影されたと考えられている別の写真が存在します。この写真には、左にドビュッシー、右には作曲家ストラヴィンスキーが写っており、今回はサティが撮影者です。この写真もドビュッシーの家で撮影されており、部屋の様子を見ることができます。注目すべきは壁にかけてある二枚の日本画です。上のものは、かの有名な葛飾北斎による浮世絵『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』。そして下のものは着物姿の女性の絵です。

ゴッホやモネが日本文化に憧れをもったように、ドビュッシーもアジア・東洋の美術に興味津々でした。パリで何度かおこなわれた万国博覧会のアジア文化紹介のブースは、一般人だけでなく芸術家たちをも驚かせました。1889年の万博にはドビュッシーも友人と訪れ、中国館やベトナム演劇、とりわけバリのガムラン音楽は彼に新たなアイデアを与えました。その後ドビュッシーはその東洋的な和声や旋法を使って作曲し始めます。ピアノ曲でいくつか試してみたのち、1905年に『3つの交響的素描(スケッチ) 海』という管弦楽作品を発表します。

過去の西洋音楽にはなかった新鮮な響きやメロディにあふれています。ドビュッシーは『海』の中で、東洋特有の音階である五音音階、全音音階などを取り入れました。すこし日本音楽のようなハーモニーを感じませんか? 実はこれらの音階は日本の雅楽などにも使われているからです。

どこの海とも分からないエキゾチックで幻想的なこの音楽は、海が大陸をつなぐ国境のないものだと思わせてくれます。ゆらめく波、光の反射、かつて船乗りだった父、海辺の思い出……さまざまなドビュッシーの「海」が音になったのでしょう。もちろんそこには、ドビュッシーの部屋に飾られていたあの北斎の浮世絵も含まれるはずです。実際、ドビュッシーは『海』の楽譜出版の際に、出版社にその浮世絵を使うように指示しています。

明日は、ドビュッシーにとっての視覚芸術が何であったのかご一緒に考えてゆきたいと思っています。

レッスンにご興味がある方は、「ウィステリア・ピアノクラス」で検索して、ホームページからお気軽にお問い合わせください。


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓
↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント