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ブルクミュラーの探索:Op.100-21 L' harmonie des ange

みなさん、こんにちは。

今日は、「天使の声」「天使の合唱」と訳されているブルクミュラー25練習曲の21番目の作品についてお話ししましょう。原題は「L’harmonie des anges」ですから、直訳すると「天使たちのハーモニー」となります。

「harmonie」は、「調和」「和声」といった意味で、一方、「合唱」は、フランス語で「chœur クール」になるので、日本語のタイトルはちょっとニュアンスが違うのです。

「天使」というのは神の使いで、美しさ、純粋さ、調和の象徴とされています。牧師であった祖父、劇場音楽監督・兼ピアノ教師であった父、歌手であった母、天才作曲家と評されていた弟(不運にして夭折)といった家族に囲まれて育ったブルクミュラーは、和合することの美しさを体験的に知っていたことでしょう。

そして彼がこの曲を書いた当時のパリには、音楽が華やいでおり、フランツ・リスト(1811~86)やフレデリック・ショパン(1810~1849)という大音楽家が活躍し始めていました。

また当時はピアノという楽器の仕組みに改良が重ねられており、製造技術が著しく向上する過程にあり、パリではエラール社やプレイエル社といったメーカーが生産台数を伸ばしていました。

そしてピアノは一般家庭の中で、豊かさの象徴として普及するようになっていたのです。そこで求められるようになったのが、アマチュアや初心者でも楽しむことのできる平易なピアノ曲集と、演奏法の指導をしてくれるピアノ教師の存在です。

ブルクミュラーはピアノ教師として評判を得、時の国王ルイ=フィリップ1世の子どもたちにまでピアノを教えるようになりました。ルイ=フィリップ王の信仰するカトリックでは、執成し手としての天使、特にミカエル、ガブリエル、ラファエルを崇敬しますが、ブルクミュラーが牧師であった祖父からの信仰を継承していたとすると、プロテスタント教会では天使崇敬という形式は一般的ではありません。

ブルクミュラーがここに「天使のハーモニー」という非言語化された美しいピアノ曲を書いたことは、「音楽が普遍的な言語であり、異なった背景を持つ人々を結び付ける力がある」ということを示しています。

まるでハープのために書かれたかのようなこの曲は、天上の音楽を表現しているかのようです。技術的には分散和音をなめらかに弾くことを目的としていますが、指だけの弾奏に頼らず、手首と腕の動きを呼吸と一体化させながら、歌うように演奏することが大切です。

この曲を通じて、ブルクミュラーが音楽を通じて人々を結びつける力を信じていたことが伝わってきます。それはまさに「天使のハーモニー」そのものです。レッスンにご興味がある方は、「ウィステリア・ピアノクラス」で検索して、ホームページからお気軽にお問い合わせください。


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