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泣かないで

私は周りがびっくりするほど泣き虫で日常生活に支障が出るほどだ。他人は「あなたは優しいから」と肯定的に表現してくれるが、ふつうは「あなたは弱虫だから」と言うところである。自分自身も直したいと思って本を読みあさったことがあるが、読み得た知識を使って実践はしていないので、歳を重ねて涙腺はゆるむ一方である。
涙を上手に利用する人間がいるという話があるが、私の場合自分の意志とは関係なく涙が勝手に出てくる。しかし最近は、自分が気がつかないだけで、心のどこかに弱さであるとか、ずるさであるとかがあるのかもしれないと考えるようになった。

泣くと頑張れない。私の場合そこで全てが中断してしまう。子供に教えるようになるまで考えたこともなかったが、習う立場で泣いた数々の場面を思い返した。
一番最初に思い出したのは、東京芸大の教授にレッスンを受けたときのことであった。指摘された所をすぐに修正できない自分が悔しくて泣いてしまったのであるが、いつまでも泣きやまないのでレッスンは打ち切りになり、当然慰めてもらえるものと思っていた恩師には「泣くのはダメよ」と活を入れられ、それ以来大学受験のときまでその教授のレッスンを受けることはなかった。今思えばそこで淘汰されるはずだったのかもしれないがそこがわからないのが私らしい。それ以来大学受験の準備や、大学の通常のレッスンなど、事あるごとによく泣いた。アメリカにいるときは、中村弘子の言う「血のなせる業」を肌に感じてレッスン中にわんわん泣いたこともあった。
帰国して教職に就き、黒人霊歌を教えたときは、アメリカで実際に見聞きした人種差別や友人を思いだし生徒の前で泣きだしてしまったこともあった。どの場面を思い出しても泣いてはいけなかったと感じる。

最近泣くことは良いことだと言われるようになった。それは私も同感だ。ただ、いつも思うのは、できなくて泣く、負けて悔しくて泣くのではなく、感動して泣くことに限られていることを現代の日本人は忘れていると感じる。
オリンピックで勝って泣いていい場面で、じっと感情を押し殺している日本人に対して言ったのではないのか?大震災で一度に全てのものを失い、自分の感情とどう向き合えばいいのかわからなくて封印し究極の状態に追い詰められている状態の人間に対して泣いてくださいと言うのではないのか?
自分も含めて泣き虫の人間に、泣くなっ!歯をくいしばれと言いたい。


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