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折り鶴と貞子

生徒達の米国旅行&英語レッスンの引率で毎日起きてから寝るまでがずっと忙しく、普段以上に世間知らずになってしまった。それを取り戻すわけでもなく時差ぼけのまま何気にテレビを眺めていたらいつのまにか終戦記念日。忙しさにかまけて教えずじまいにしてしまった1つの大切な教育のチャンスを思い出して悔やんだ。

子供たちに、お世話になった人達にthank you.の言葉と一緒に鶴の折り紙を渡すように伝えたのに、確認しないまま帰ってきてしまった。
散らかしたままにしているのでどうしてなのか指摘しようとも思ったが、チェックアウトは私ひとりがすればいいことだから、子供たちがその場に居合わせる必要もないしとないがしろにしてしまった。

8月になると、小学生のときに学校の先生に教えていただいた、千羽鶴の貞子の話を思い出す。被曝した少女が白血病に倒れ、元気になることを夢見て千羽鶴に願いを託したが願いかなわず他界してしまう実話である。教えていただいてから十数年後アメリカでその話をするまですっかり忘れていたがたまたま話す機会があった。女の子の名前もわからずストーリーだけを説明したが、アメリカの人達はすぐにわかって口々にサデァーコゥと連呼して日本人の私に教えてくれた。日本よりアメリカで有名なことに驚いたし、彼女のことを忘れていたことを恥じた。

さて、現代の日本はどうであろうか?多分今もその話を知っているのは広島の平和記念公園に行ったことのある日本人だけなような気がする。それどころか鶴の折り方を知らない人間が増えた。昔は折り紙をし、あやとりをし、箸で食事をする指先の器用な日本人と言われたものだが、最近はそれにあてはまらない人が増えている。テレビで有名人がすごい箸の持ち方で食事をしているのを見たりすると興ざめである。それでも現代人は形式より楽しむことが大切と言い張るのであろうか? 生活習慣がすっかり変わってしまったのだからそれはいたしかたのないことではあるが、上手にできていたものができなくなるのはいささか悔しい。
今でも公園には、大きな折り鶴をかかげた貞子の象があるし、いたるところに千羽鶴が飾られている。ただの折り紙でしかない鶴ではあるが、平和への祈りやその他いろいろな思いが込められた特別なものでもあることを日本人として是非覚えていてもらいたいものだ。

今日も貞子は病気で苦しむことのない世界を、原爆のない世界平和を祈って公園に立ち続けている。


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