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死ぬ準備してる?

今日は私の叔父について書こうと思う。当初「本当のことを言ってくれる人に耳を傾けよう」をテーマに書こうとしてそれをしてくれる叔父について書き出してみたものの、紹介だけでどんどん進んで行くので、彼をテーマにすることにした。

この叔父、音楽を専門に勉強したことがないのに非常にセンスがある。音楽評論家が自分自身は楽器を演奏しないのに批評が確かなのと同じである。子供時代は神童だったそうで、のど自慢を総なめにしたとかしないとか豪語していたが、県内片田舎の話なのでそれについては話半分に聞いている。

実際私が音大生になったころはさっぱりであった。しかし生来音楽が好きで趣味で合唱団に属して数年すると、ちゃんと自分の思い通りに声が出せるようになった。4年制音大を卒業した私としては本当におもしろくない存在であるが、どこの大学を出ようと出まいと力のある人間は力があるのだ。大学のネームバリューにすがって暮らそうとしている私が日々の勉強をさぼることを抑制してくれる。

ピアノも学校のピアノを弾かせてもらったそうで、独学で「トルコ行進曲」「乙女の祈り」などを弾く。物のない時代に育った人たちの強いあこがれと努力は、現代人にはすっかり失われてしまったのだろうか?とにかく頭が下がる思いだ。今はケーナを趣味でやっていて銀座のどこかで弾いたりするとおひねりをもらったりするんだよと話す。

大学3年のときに、盛岡の恩師の教室で模範演奏を弾かせてもらうことになった。高校のときに同じ門下の先輩がラヴェルを弾いて以来大ファンになった私は迷わず「水の戯れ」を選んだ。今でこそ演奏会で弾く人が増えたが、当時はショパンやリスト一辺倒でそんなに一般的な曲ではなかった。

その曲を叔父の前で意気揚々と披露したらなんと叔父はその曲を知っていたのだ。まずそれが驚きその1であった。次に出たコメントが「水の一生みたいなものが表れてない」「光が差し込んで水が輝いている様が音に表れていない」で、頭を殴られた気分であった。ちょうどこだわって練習している部分であったからだ。驚きその2であった。

それ以来演奏会があるときには、必ず聞かせるようにしている。相変わらず頭にくるが本当のことを言ってくれる人は少ないので非常に頼りにしている。その叔父が19時間の癌の手術から生還した。今は「死ぬ準備を始めなさい」という忠告に思いっきりストライキを起こしている私である。


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