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バッハ ゴルトベルク変奏曲

週末、バッハのゴルトベルク変奏曲の勉強をしました。
バッハのゴルトベルク変奏曲、音楽芸術の愛好家の中では知られた曲名ですが、どういった編成でできているかというところまではなかなか知られていないと思うので、簡単に記してみたいと思います。

まず、ゴルトベルク変奏曲、というちょっと呪文みたいな名前について。

「ゴルトベルク変奏曲」は正式名「アリアと種々の変奏」で、バッハの弟子ゴルトベルクの名前に由来し、バッハがゴルトベルクのために作曲した変奏曲、という説があります。なぜ大先生のバッハが弟子のために作曲したかということについて伝えられるエピソードがあります。(あくまでも通説です。真偽の程は分かりません、悪しからず)

ゴルトベルクが仕えていたカイザーリンク伯爵が不眠で悩んでいて、ゴルトベルクに夜静かに眠りに誘うような音楽を奏でるよう命じ、バッハが世にも素晴らしい楽曲をゴルトベルクのために作曲した、というものです。 

ゴルトベルク変奏曲は、眠られない伯爵が眠りにつくまでの長い時間奏でられ続けるべく、優しく美しいアリア(歌のような曲)で始まり、その後そのアリアの低音進行を色々なアイデアのヴァリエーションが30通り、30曲もの変奏曲が奏でられ、最後にもう一度最初に奏でられたアリアを奏でて曲を閉じます。指示通り繰り返しを入れて演奏すると最後のアリアまで一時間もの間奏でることになります。

これはわたしの想像ですが、最後のアリアを奏でるときに、伯爵の方をそっと覗き見て、まだ眠りに落ちていないようだったらもう一度(眠りに落ちるまで何度でも)30の変奏曲を演奏し始められる構造だったのかな、と思います(違うかな?そもそも伯爵の不眠のエピソードの真偽の程はわからないので)。でも、もし夜な夜な伯爵の寝室で繰り返されたとすると、最後に同じアリアを弾く時のゴルトベルクの期待感、伯爵が眠られていたら今晩のお仕事終わり!眠られていなかったらちょっとがっかりしながら夜通し何クールでも延々と。。という感じだったのでしょうかしら。

カイザーリンク伯爵が心地良く眠りにつけたかどうかはともかくとして、ゴールドベルクが相当な弾き手であったことは確かでしょうし、バッハが変奏曲様式への興味と自身の持てる全てのアイデアを注ぎ込んだ渾身の名曲であることは間違いありません。

30曲の変奏曲は整然と計画されて作曲されています。

3の倍数の変奏曲(第3, 6,,9,12,15,18,21,24,27,30変奏)はカノンと呼ばれる追いかけっこ様式で作曲されています。

しかも、一回めの第3変奏は1度のカノン、二回目の第6変奏は2度のカノン、三回目の第9変奏は3度のカノン、四回目の第12変奏は4度のカノン・・・・九回目の第27変奏9度のカノン、と順番に音程を離していき、十回目の第30変奏は当時流行った歌を入れています。

その流行歌は「キャベツとカブがオイラを追い出した」(肉を食わしてくれなかったからオイラ家を出たもんね、的な砕けた歌詞の流行歌)で、バッハの遊び心でしょうか。高尚な芸術曲、と一時間近く耳を傾けている人々へのアンコール曲的なプレゼントでしょうか。カイザーリンク伯爵の不眠対策エピソードが本当ならバッハの悪戯心でしょうか。

このようにして、30の変奏は3曲を一つの組として構成されているのですが、各組の1番め(つまり、第1, 4, 7, 10, 13, 16, 19, 22, 25, 28変奏)は舞曲や歌曲、フーガといった性格的な楽曲が配されています。

各組の2番(第2, 5, 8, 11, 14, 17, 20, 23, 26, 29変奏)は2番以外全て2段の鍵盤を用いて演奏するよう指定がある技巧的な変奏です。弾き手の腕の見せ所ではありますが、腕を交差させての2段鍵盤演奏はなかなかに聞き応え、見応えがあります。

曲全体は、前半は「アリア」で始まり第1変奏から第15変奏まで、後半は序曲形式で書かれた第16変奏から30変奏+「アリア」、までの二つに分けることができます。

ご興味を持ってくださったら、いつか時間に余裕がある時、音源を聞いてみて下さいませ。聴くほどに面白い音楽だと思います。
チェンバロの演奏、ピアノの演奏の聴き比べも面白いです。
最近ではランランが素晴らしい録音しています。

            


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