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目の前の楽譜を信じすぎちゃいけない! その4

ブラームスの間奏曲 作品117-2の楽譜について調べています。
これまでの経緯は前回までのブログをご覧下さいね。

f の謎を解明するべく、もう1つのウィーン原典版(音楽之友社刊行)とヘンレ改定新版を見るため、地元で一番大きな楽譜屋さんへ出向きました。

両方ともありました!
そして迷った結果、結局2冊とも購入。。。
これでブラームス117だけで4種類の楽譜になりました。
自筆譜を入れたら5種類。
図書館に行けたらよかったのになぁ。。。たまたま楽譜屋さんで割引特典があったとは言え、出費が。。。汗

こんな感じです↓
ピアノ教室.COM
左から、
もともと持っていたヘンレ版のブラームス:ピアノ作品集
ヘンレ改定新版の作品117
ファクシミリつきウィーン原典版の作品117
もう1つのウィーン原典版の作品117


一緒に写っているのは届いたばかりの新しいお花です。


どうして立ち読みで終わらせずに購入してしまったかというと、〈もう1つの〉ウィーン原典版にはオマケのページがついていたということと、ヘンレ改定新版の注解が見開き2ページもあって立ち読みで覚えられない情報量だったから。

そのオマケのページがこちら↓
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ブラームス自身が初版楽譜に鉛筆で加筆訂正したという楽譜の、作品117-2の最後のページです。




ヘンレ改定新版の注解ページがこちら↓
ピアノ教室.COM

作品117の3曲の注解だけで見開き2ページもあります。

私がもともと持っていた【旧】ヘンレ版の注解は30曲分でわずか1/3ページでした。
情報量の差は明らかですね。

そしてこのヘンレ改定新版には、謎のf は記譜されていませんでした。注解には。。。謎のf に関して何も書かれていませんでした。。。汗

しかし注解をよく読めば、謎のf は自筆譜だけに書かれており、ブラームス自身がのちに考えを変えてf を消去したと確信できます。

なぜなら、ヘンレ改定新版は旧ヘンレ版よりも多くの資料をもとに校訂されているからです。
注解によると、自筆譜についての説明には「これは印刷の原本ではなかった。」とのこと。また、自筆譜から初版楽譜の印刷に至るまでに作成された印刷用の見本が2種類、資料として検証されています。
また、初版第1刷にブラームス自身が鉛筆で加筆訂正を加えた楽譜が検証され(これは旧ヘンレ版でも同様)、さらにその後、ブラームスの死後にジムロック社が出版した初版楽譜の改訂版も検証資料となっています。



印刷見本を作ったり校正をする過程で、ブラームスは謎のf を消去したと思われます。そして初版楽譜が出版され、自分自身で楽譜に加筆訂正をした際にも、ブラームスは謎のf を加筆することはなかった。

つまり、謎のf は無いものとして扱うべき。



謎が解けたぞ!




これで一件落着!
旧ヘンレ版の謎のf に違和感を感じてから、ここまで長い道のりでした。



しかし。。。実はこの曲には、謎のf 以外にも楽譜によって違いがあったのです。



続きます。


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