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目の前の楽譜を信じすぎちゃいけない! その3

ブラームスの間奏曲 作品117-2の楽譜について調べています。
自分が持っているヘンレ版の楽譜が信じられなくなってきた。。。汗


ヘンレ版にはあるけれど、初版楽譜やヘンレ版以外の出版譜にはない、謎のf(フォルテ)。
演奏に大きな違いをもたらします。


自筆譜には、そのf は記譜されていました。


自筆譜にf があるのなら、初版楽譜の出版までに以下のような流れが推測できます。



ブラームスが自筆譜にf を書いたが、出版社がf を見落として初版楽譜を世に送り出した。つまり、【f あり】がブラームスのアイデア。

または

ブラームスが自筆譜にf を書いたが、その後ブラームスの考えが変わり、f を記譜しないように出版社に指示した。つまり、【f なし】がブラームスのアイデア。


どちらが事実だったのかは、印刷用に清書された譜面(ブラームス自身によるものではなく、写譜屋とよばれる職人が書いたもの)や、ブラームスと出版社ジムロックとのあいだで行き来した手紙を調べたら判明しそうです。手っ取り早く調べるには、楽譜の注解を読むのがいいのですが。。。

ヘンレ版の注解にはf について何も書かれていない!

では、せっかく購入したわけだし、自筆譜ファクシミリ付きのウィーン原典版は?
ちなみにこの楽譜では謎のf はありません。自筆譜には書いてあるのに、印刷されたこの楽譜には記譜されていないということは、何か説明があるはず。

さて、注解に何て書いてあるのかな?いよいよ謎が解けるかな?
ピアノ教室.COM

ない!


なんと、この楽譜には【序文】はあるけど【注解】がないのです。これで原典版を名乗っていいのだろうか?モンモンとしながら【序文】を読むと、このように書いてありました。
ピアノ教室.COM


“ブラームスの自筆譜は初版印刷のための原本ではなく、いくつかの部分は初版楽譜と相違がある。おそらくブラームスは、他の作品の場合でもそうであるように、自筆譜を書いた後に改変を行ったのであろう。詳しくは当社版【ブラームス:3つの間奏曲 作品117】注解を参照のこと。”





はぁ?
当社版【ブラームス:3つの間奏曲 作品117】注解だと?





なんと、ウィーン原典版【ブラームス:3つの間奏曲 作品117】の楽譜には2種類あったのです。

1つは、自筆譜ファクシミリつき。注解なし。お値段かなり高め。

もう1つは、自筆譜ファクシミリなし。注解はあるらしい。お値段はほかの出版社のものと同程度。


むうううう。
なんだか、楽譜出版業界が信じられなくなってきた!




もう1つのウィーン原典版【ブラームス 3つの間奏曲 作品117】の楽譜は、輸入版もあるのでしょうが、日本国内では音楽之友社が刊行しています。



ますます、音大の図書館か東京文化会館音楽資料室へ行って、実際の楽譜を見て注解を読んでみたいところですが。。。
仕方がない、注解をちょっと立ち読みするくらいならいいかな?地元で一番大きな楽譜屋に出向くことにしました。




そこでふと、【ブラームス 3つの間奏曲 作品117】の楽譜がどの出版社から出版されているのか、いま一度調べてみました。

そうしたら、気になる楽譜が出てきました。

ヘンレ社による改定新版

なに〜?
出版年は2013年。
校訂者はKatrin Eich(独語読みならカトリン・アイヒかな?)
となっています。

私が現在使っているヘンレ版を買ったのはおそらく2000年頃。
その楽譜の校訂者はモニカ・シュティークマンです。
楽譜の注解には1976年と書かれているので、その頃に出版されたものの重版を買ったというわけですね。



うむむ、このヘンレ改定新版、気になるぞ。


ウィーン原典版の注解を読みたいし、このヘンレ改定新版もめっちゃ気になる!


やっぱり楽譜屋へ行くしかない!!



続きます。


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