オーケストラ音楽をピアノで弾くことはソロ演奏にも役に立つ! その3〜伴奏の弾き方を工夫する〜和音編
オーケストラ音楽をピアノで弾くことはソロ演奏にも役に立つ!
シリーズ第3回目です。
今回は伴奏の弾き方に注目してみたいと思います。再び長くて専門的な記事になります。
私のアメーバブログでは譜例を用いて説明しています。よろしければ右側のリンクからブログへお越し下さいね。
では再び、メンデルスゾーンによるピアノソロの名曲、ロンド・カプリチョーソ作品14(以下ロンカプ)を見ていきます。
有益なこと その3
伴奏の弾き方を工夫する
和音編
ロンカプ前半のAndante(アンダンテ。ゆったりと歩くようなテンポで、の意味)では4小節目後半から美しいメロディーが始まります。右手がメロディー、左手が低音部のオクターブと和音による伴奏になっています。このような場合、メロディーは大きく、伴奏は小さくという音量バランスは鉄則です。
この右手のメロディーはp(ピアノ)ですから、左手の伴奏はpp(ピアニッシモ)くらいと考えられます。では左手の低音オクターブと和音は、ただ弱く弾いていればいいのでしょうか?
いいえ。
ただppで弾くだけでなく、右手のメロディーに寄り添うように弾くべきです。
では、いったいどうすればいいの?
こんな時、オーケストラ音楽をピアノで弾く経験が役に立ちます!
それではここでメンコン(メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト)第2楽章を見ていきます。ロンカプのAndanteとよく似ているのです。
ロンカプと同じく、メンコン2楽章もAndanteです。
ソロヴァイオリンによる美しいメロディーはpです。
そして伴奏は低音部オクターブと和音で出来ています。
ね?
ピアノ譜を見ると、ロンカプとメンコンのAndanteはそっくり!
メロディーは違いますが音楽の作られ方がそっくりなのです。
違うのはひとつだけ。
メンコン=左手が低音オクターブで右手が和音という役割分担。
ロンカプ=左手が低音オクターブと和音の両方を受け持つ。
というわけで、メンコンのピアノ譜を総譜と比較しながら、ベストな弾き方を考えていこうと思います。
メンコンの該当部分ですが、オーケストラでは弦楽器のみが演奏しています。総譜とピアノ譜を比べると、以下のように編曲されていることが分かります。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンとヴィオラ
↓
ピアノ譜右手
チェロとコントラバス
↓
ピアノ譜左手
ピアノ譜右手には、シリーズ第1回「連続する和音をどう弾くか」で考察したことと全く同じ注意点が当てはまります。オケでは中高音の弦楽器が1つずつ受け持っている音が重なって和音として成立しています。この和音の連続をピアノで弾く際は、縦に分断された音楽(和音の千切り、と例えましたね)ではなく、常に横の流れを意識して弾くべき、ということです。
そしてこの場合、どのように音楽が流れていくのか決定づけるのはメロディーです。
伴奏の和音を弾く際は、いつもメロディーをよく聴いて、メロディーの「流れ方」や「音の方向性」を意識する。そうすれば「メロディーに寄り添う」和音が弾けるはずです。
それではもう一度、ロンカプのAndanteを見てみましょう。
左手の和音部分では、同じ和音が3つ以上連続して書かれています。千切りのように弾くと本当に非音楽的になります。
聴いていられない演奏になってしまう。。。
右手のメロディーがどう流れるのか。よく注意しながら左手の和音を弾けるといいですね。
というわけで、
〜伴奏の弾き方を工夫する〜和音編
でした。
文章と譜例を用いて説明してきました。レッスンでは文章と同じ内容を話します。そして譜例の部分は実際に弾きます。
すると一目瞭然ならぬ、一聴瞭然という感じでレッスン会員さんに伝わるのです。
やっぱり音楽は「音」で出来ている芸術だから。
文章と譜例では100パーセント伝わらないかも。。。
ここまで書いたのにそれ言っちゃう?って感じだけど。
でも諦めず、シリーズを続けます。
次は、〜伴奏の弾き方を工夫する〜低音編
です。
シリーズ第3回目です。
今回は伴奏の弾き方に注目してみたいと思います。再び長くて専門的な記事になります。
私のアメーバブログでは譜例を用いて説明しています。よろしければ右側のリンクからブログへお越し下さいね。
では再び、メンデルスゾーンによるピアノソロの名曲、ロンド・カプリチョーソ作品14(以下ロンカプ)を見ていきます。
有益なこと その3
伴奏の弾き方を工夫する
和音編
ロンカプ前半のAndante(アンダンテ。ゆったりと歩くようなテンポで、の意味)では4小節目後半から美しいメロディーが始まります。右手がメロディー、左手が低音部のオクターブと和音による伴奏になっています。このような場合、メロディーは大きく、伴奏は小さくという音量バランスは鉄則です。
この右手のメロディーはp(ピアノ)ですから、左手の伴奏はpp(ピアニッシモ)くらいと考えられます。では左手の低音オクターブと和音は、ただ弱く弾いていればいいのでしょうか?
いいえ。
ただppで弾くだけでなく、右手のメロディーに寄り添うように弾くべきです。
では、いったいどうすればいいの?
こんな時、オーケストラ音楽をピアノで弾く経験が役に立ちます!
それではここでメンコン(メンデルスゾーンのヴァイオリンコンチェルト)第2楽章を見ていきます。ロンカプのAndanteとよく似ているのです。
ロンカプと同じく、メンコン2楽章もAndanteです。
ソロヴァイオリンによる美しいメロディーはpです。
そして伴奏は低音部オクターブと和音で出来ています。
ね?
ピアノ譜を見ると、ロンカプとメンコンのAndanteはそっくり!
メロディーは違いますが音楽の作られ方がそっくりなのです。
違うのはひとつだけ。
メンコン=左手が低音オクターブで右手が和音という役割分担。
ロンカプ=左手が低音オクターブと和音の両方を受け持つ。
というわけで、メンコンのピアノ譜を総譜と比較しながら、ベストな弾き方を考えていこうと思います。
メンコンの該当部分ですが、オーケストラでは弦楽器のみが演奏しています。総譜とピアノ譜を比べると、以下のように編曲されていることが分かります。
第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンとヴィオラ
↓
ピアノ譜右手
チェロとコントラバス
↓
ピアノ譜左手
ピアノ譜右手には、シリーズ第1回「連続する和音をどう弾くか」で考察したことと全く同じ注意点が当てはまります。オケでは中高音の弦楽器が1つずつ受け持っている音が重なって和音として成立しています。この和音の連続をピアノで弾く際は、縦に分断された音楽(和音の千切り、と例えましたね)ではなく、常に横の流れを意識して弾くべき、ということです。
そしてこの場合、どのように音楽が流れていくのか決定づけるのはメロディーです。
伴奏の和音を弾く際は、いつもメロディーをよく聴いて、メロディーの「流れ方」や「音の方向性」を意識する。そうすれば「メロディーに寄り添う」和音が弾けるはずです。
それではもう一度、ロンカプのAndanteを見てみましょう。
左手の和音部分では、同じ和音が3つ以上連続して書かれています。千切りのように弾くと本当に非音楽的になります。
聴いていられない演奏になってしまう。。。
右手のメロディーがどう流れるのか。よく注意しながら左手の和音を弾けるといいですね。
というわけで、
〜伴奏の弾き方を工夫する〜和音編
でした。
文章と譜例を用いて説明してきました。レッスンでは文章と同じ内容を話します。そして譜例の部分は実際に弾きます。
すると一目瞭然ならぬ、一聴瞭然という感じでレッスン会員さんに伝わるのです。
やっぱり音楽は「音」で出来ている芸術だから。
文章と譜例では100パーセント伝わらないかも。。。
ここまで書いたのにそれ言っちゃう?って感じだけど。
でも諦めず、シリーズを続けます。
次は、〜伴奏の弾き方を工夫する〜低音編
です。
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