日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

バーナム「全調の練習」

バーナムピアノテクニック集の中に「全調の練習」という少し変わったタイトルの曲集があります。全ての調子の練習曲が納められていて、その1つ1つはとてもシンプルで譜読みも易しく、ページ毎の調子の配列からは、楽典的にも音楽の面白さを味わえる作りになっています。

この本の面白さを知り、使いたいと思いながら、このテクニック集を使わせていただく中で「ミニブック」や「導入書」から始めますと、その後は「1」「2」と進んで行く事が多く、さて、その次を選ぶ頃には、バーナム以外の選択肢が広がる事も有り、ついつい、この本を手にする事が少なくなっておりました。

しかし最近久々に、生徒さんと一緒に「全調の練習」を勉強する機会を得て、改めてその良さを感じております。

全ての調を学べる中で、例えば嬰ハ長調(これはドレミファソラシドの全てにシャープが付いています)。ご趣味の生徒さんがこの調子の曲を弾く事はほとんど有りませんから、これは貴重です。

嬰ハ長調の中で〈ミ〉のシャープは〈ファ〉の鍵盤と同じ場所を弾く事を知り、面白く思い、そして〈ファ〉の鍵盤を〈ミ〉のシャープとして感じる耳と、音楽的なセンスを養えます。

同時に、調子記号のあまりの多さ(7つも並ぶシャープ)に一瞬はたじろぐ物の、弾きやすい楽曲のおかげで、「な〜んだ大丈夫!弾ける!」という気持ちにさせてくれる効果もありそうです。

そして、各ページの冒頭には楽曲の調性に合わせた1オクターブ音階と主和音が書かれており、ハノンのスケールとカデンツを勉強するのは負担の大き過ぎる、ご趣味の生徒さんにはとても良い練習になります。

又、短調の楽曲には、自然短音階、和声短音階、旋律短音階の上行と下行形を含めて3種類全ての音階が書かれていますから(専門的な話で恐縮ですが、短調で書かれる音楽に必要な音の変化が様々に記されている音階です。)

これについても、ご年齢にわかり易い言葉を選びながら、「何故?」をお話したり、又、幾つかの音階に出てくるダブルシャープに触れる事なども、知識と音への感覚を増やす楽しい材料となります。

実はこの短調の音階の記載は、古い版には自然短音階のみでしたので、新しい版に、和声と旋律短音階の記載が増えた事は、当初とても驚きました。
この様に、版を重ねる内に、少しずつ改良が進んでいる事に、音楽教育の進化、変化を感じずにはおれません。

さて、改めてバーナムの「全調の練習」の良さを感じました所で、今後は是非とも積極的に、この本を取り上げるタイミングを見つけて、沢山の生徒さんと勉強して参りたいと思います。


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓

最新情報:ただいま、生徒募集は行っておりません



<< 前のページに戻る ↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント