き

谷川俊太郎の詩に

「き」

というのがあります。

き　　谷川俊太郎　

序の唄
いっぽんの　きがある
わたしの　うちのにわに
わたしのうまれる　ずっとまえから

一月
しろい　かくれんぼ
みんな　かくれてる
おにも　かくれてる

二月
はだかに　なって
きが　つくってくれた
あたたかい　ひだまり
わたしも　がいとうを　ぬぐ

三月
きを　みると
おこったことを　わすれてしまう
きを　みると
きよりも　たかい　そらがみえる
四月
こずえが　かぜに　なってる
ねぇ　きいて
わたしも　
あたらしいうたを　おぼえたわ

五月
きの　なかに
ひみつの　てがみを　かくした
きは　だまっててくれる
ひゃくねん　たっても

六月
こうすいなんて　いらないは
はなが　あんまり　
いいにおい　だから
わたしは　きっと　
ろくがつに　およめに　いく

七月
しらない　ひとと
ともだちに　なった
これびの　おちる
なつのひの　ごご

八月
なきながら　ねむったよる
どこからか　こもりうたが　
きこえてきた
あるときは　
くらりねっとの　こえで
あるときは
バスーンの　こえで

九月
まけないで　まけないで
まけないで

十月
かご　いっぱいの　このみが
じめんに　ちらばって
そのよる
おばあちゃまは　なくなった
わたしの　てを　にぎったまま

十一月
だいどころで　
じゃむが　にえている
きょねんの　がいとうは
もう　ちいさすぎる

十二月
わたしは　ゆめみる
かみさまの　おかお
こわいおかお　やさしいおかお

結びの歌
いっぽんの　きがある
わたしの　うちの　にわに

私の思い出の中の「き」
この詩を読んで
優しい気持ちになりました。

諸井誠　作曲の曲がありましたので
守谷市でのオータムコンサートで
歌うことにいたしました。

10月29日（日）13時〜　
守屋中央公民館ホールです。

お近くの方、
よろしければ、お出かけになりませんか。