コンクールは何のため？

コンクール、英語ではコンペティションですが、『競う』ことですね。音楽はそもそも競うものではありません。
スポーツの世界では、多くの場合に記録あるいは勝敗がはっきりと目に見えるので明確に勝ち負けが分かります。
人類も誕生以来、生存競争にさらされ続け、動物的闘争本能がなければ生き残れませんでした。
だから自分が生き残る為に他者を打ち負かそうとするDNAは強く、いつになっても戦争が繰り返されるのも避けられないサガなのでしょう。
そこでその闘争本能の吐け口として古代ギリシャでオリンピックが開催されました。
実際の戦さの代わりに、各都市対抗によるスポーツ競技で闘争本能を満足させようとしたのでしょうね。
現代でもオリンピックは世界注目の大イベントで、アスリート本人だけでなく観衆も自国の応援に熱狂しています。
スポーツ以外でもどんな世界にも競争心は存在し、音楽コンクールが隆盛を極めている一因でもあるでしょう。
しかしピアノコンクールも勝ち負けだけを目的にはしたくないですね。
近代オリンピックの父、クーベルタン男爵は奇しくもこう言っています。
『オリンピックは参加する事に意義があるのだ』と。これは大変重要なスローガンだと思います。
次回からもコンクールに参加することの意義を考えてみたいと思います。（森直紀）