ぐんぐん上達！魔法のレッスン。

タイトルを見て、がっつり期待してこちらのブログにお越しくださった方、ごめんなさい。

先日、ある大人の生徒さんと話題になりました。
あるカルチャースクールの窓に、色々なお教室紹介の紙が貼ってあります。
一年中貼ってあるのか、募集の時期だからかは分かりませんが、私も 通りがかりに見かけたことがあります。

それをしばらく忘れていたのですが、つい先日、あるスーパーが提供している「貸部屋」で行っているお教室の紹介コーナーで、同じような宣伝文句？を見かけました。

「大人のピアノ教室」の募集のようです。

だれでもすぐにスラスラ弾けるようになります！

おーそりゃすごい。誰でもっていうのも、すぐに、 も、スラスラも。
これに騙され(失礼…)入会した方は、
こんなはずじゃなかった
と、悩みますよね、たぶん。いや、絶対に。

ピアノは、猫が歩いても 赤ちゃんがぐーで叩いても、音が出る楽器です。
私は フルートとそれからヴァイオリンも 、ほんの少しですが 教えていただいたことがあります。
まず、これらは、初めは音がでないです。
出たとしても、騒音というか、かなり不快になる音です。
ピアノは、ガンガンと棒で叩いたり、足で踏みつけたりしない限りは、「耳をふさいでうずくまるくらい」ひどい音はでないです。(不協和音は、また別な種類の音です)

ですが、10本の指で ト音記号やヘ音記号を見分けながら た～くさんの音符を見つつ、長さも表現していくわけですから、それなりの基礎知識と 毎日の練習(予習と復習も)が必要です。
誰もが 簡単に出来ることであれば、世の中にプロの演奏家で溢れかえるか、または (人の)音楽で感動することが減るかもしれません。

皆さんピアノをぜひ習いにきてください！楽しいですよ～
と、お声をかける側からは非常に申し上げにくいのですが、
なんにもしなくても「すぐに」「スラスラ」は 弾けないです。
誰でも、というのも違います。
習う側にも、それ相応の努力がかなり必要ですし、時間もある程度かかります。
それから、大事なのは、「教える側の技術と知識」です。
個人個人、それぞれに 違うアプローチで ピアノについて教えていくわけです。
弾けるコツ、弾けない原因は、ひとりひとり違うのですから。

実際に、私の 大人の生徒さんがおっしゃっていました。
「あの宣伝文句、ぜっっったい嘘ですよねー」(笑)(笑)

ピアノは、「先生がいなくても自分で考えて弾けるようになるまで」に、一般人(天才ではなく)で、20年かかると言われています。
音楽の知識、作曲家について、ピアノの構造の勉強、音色を工夫するテクニック…
それから、日々のトレーニング。

初めから、あるいは、レッスン数回で
「何もしなくてもスラスラ弾けるほど簡単ではない」と思います。

だからこそ、弾けるようになったときの喜びもひとしおなんですよ。
そして、素晴らしい演奏家の演奏に 感動するわけです。