できるようになるから楽しいんだよ

　習い始めたばかりのお子さんは、
新しい音，新しい休符、毎週何かしらの新しいことが出てきます。

　初めてトライしたことがすぐにできると見学しているおうちの人から
「おおーっ！」と、盛大な拍手がくることがあります。親なのだから微笑ましくてよろしい。

　私はもちろん、「おっ、できたね！」と軽く驚いてみせますが、あまり過剰に喜ばないように気を付けます。

　練習しなくてもたまたまできてしまったことをほめていると
教材が進んで１、２回やっただけではできないレベルになったとき、
「あれ？できない？むずかしい！」と簡単に自分にブレーキをかけるようになったら困るかなと思うからです。

　練習する人は、２０回だろうと３０回だろうと、できるまではまだ道半ばだと思っている。だから何回でも繰り返せる。
　でも「５回も（？）弾いたけれどできなかった。」とあきらめたように言うお子さんがいました。もったいないです。

「今できないだけだよ。何回もやっているうちに必ずできるよ」と言って、応援します。
そして、何度も繰り返した結果、できなかったことがとうとうできたときには私も自然に盛大な拍手をしています。

「できるから楽しい」のではなく、「できるようになるから楽しい」のです。