比べない。でも…②

このお子さんの場合は、ご本人の能力というより練習習慣をつけていなかった事が仕上がらない主な要因だったと思っています。恐らくみんなもそんなものなんだろう…とご家族も思っていたのかもしれません。

そう思う理由、なぜなら…発表会後の一回目レッスンから確実に練習をしてくるようになりました！！聴いていればすぐ分かりましたよ！この「発表会後すぐ」というのが、凄いなと感心しました。

ご本人がお友達の演奏を聴いてなにか感じたのか？発表会に参加してみて楽しかったからか？ご家族が幼児といえどもそれぞれ練習するものとわかってくれたのか？
理由は私にわかりませんが、明らかに練習してきたのです！
それはその後も続きました。

趣味でしたから無理のないペースではありましたが、その後も順調に進み、中学入学後も色々な曲を弾くほどになりました。私が家庭の事情で他の先生に引き継ぎをお願いした後も続けていたと思います。

他人と比較(とくに内容より進度の)するのは無意味だと今も思っていますが、周囲を知らないというのも自分の本来の能力を発揮出来なく残念だなとも感じます。その生徒さんは、周囲を知ったことで伸びたのではないか？と思っています。

でも、難しいですよね。私自身親になってつくづく思います。比較は無意味と言いつつ、我が子は趣味とハッキリするまではコンクールにも出ていましたし。我が子は周囲を知るという意味でチャレンジしていたのですが。

経験を積めば心の成長とともに自分のことも客観的に見ることが出来るようになってくるかと思います。大人は「○○ちゃんは…」という比較ではなく、本番を良い思い出にするための声掛けを幼いお子さんにはしてあげてください。ご家族のご協力もある程度必要かと思います。