日本全国のピアノ教室が5000件以上掲載!

悲しき音楽家⑥ バイエル


作曲家、ピアニスト[ドイツ]
1863年 5月14日 死去 享年61歳

ハートピアノ教室

 本当によく聞くのは、大人の方で「子供の時にはピアノを習っていたのですが、小学校でやめてしまって今は弾けません。」というお話です。その時にかなり高い確率で登場するのがバイエルピアノ教則本、通称《バイエル》です。

 フェルディナント・バイエル(Ferdinand Beyer, 1806年7月25日 - 1863年5月14日)は、ドイツの作曲家、ピアニスト。その初心者のための教則本をもって日本のピアノレッスン界に燦然と君臨し、ピアノと言えば《バイエル》という時代を築きました。しかし90年代から賛否両論の声が上がり、それまでピアノを習いながらも挫折してしまった数多くの方々の原因として、その地位を追われました。

 情報化が進んだ現在では、他の教則本の中のひとつ、という希薄な存在となりましたが、やはり楽器店の棚には必ず上巻下巻のセットがおかれています。

 《バイエル》でお稽古していってぶつかる壁は
① 初めて弾くのに高いドレミファソから導入するので読みにくい。
② 上巻はほとんどト音記号のみ。下巻になってヘ音記号が突然出てくると読めなくなる。
③ ハ長調(♯♭無し)とト長調(♯一つ)ばかりをずっとずっと弾いてきてなぜか下巻の後半で突然いろいろな調を弾かせる。♯がどっと増える。
等々…

 私もバイエルで習った世代。今にして思えばピアノを続けられたのは、本当に優しく根気よく教えて下さった恩師のおかげ。それから、楽器店で好きな楽譜や歌の伴奏の楽譜を買ってもらい、それをバイエルに飽きたり壁にぶつかったりした時に勝手に弾いていたことです。(確かヘ音記号が読めないのでドレミを楽譜に書き入れて弾いていた…)恩師もテキストと違う曲を弾く私を温かく見守って下さり、何とかバイエル下巻のあの超難しい♯いっぱいの山を乗り切りやっと終了、念願の《エリーゼのために》の楽譜をいただくことになるのです。

 しかしほっとしたのもつかの間。ツェルニー作曲の『ツェルニー100番』という長い長~~~~い坂が待っていたのでした…。(カール・ツェルニーは、オーストリアのピアノ教師、ピアニスト、作曲家。何百もの練習曲を書いたレッスン界の有名人。)

 しかし、《バイエル》も悪い面ばかりではありません。着実にじっくりと力を付けたいと思う方にはもしかして意外と合っているかもしれません。初心者に必要な知識やテクニックがある程度含まれているので、本の構成上急に難しくなるちょっとその前に補助的な練習曲を入れたり、難しい曲は割愛して別の方法でレベルアップしていったりなどの工夫をすれば、急に分からなくなってやる気がなくなることも回避できるのではないでしょうか。

 バイエルの4歳後輩にはなんともうショパンが生まれます。バイエルの生きた時代が意外とロマン派の時代真っ只中だったとは…。バイエルは保守的で真面目な職人だったのかもしれませんね。だとすれば、もしかしてその真面目さが教則本ににじみ出ていて、昔の日本のピアノ講師に受けたのかもしれません。ピアノの先生はみんな真面目で勤勉。(だと思います!わたくしもそうだと思いたいです~)教則本を最初のページから最後の一曲までもれなくやる、しかも他の曲集や練習曲に浮気しない、あなたひとすじ、みたいなところで、このような《バイエル》一筋の図式が出来上がったのではないかと推察いたしますです。

 バイエルピアノ教則本が、ドイツから遠い東洋の日本で一世を風靡したこと、そして60番(イ短調のカノン)と78番(ト長調)を子どもの頃のHEARTちゃんが好んで弾いていたことを彼は知りません。この教則本が日本の楽譜売り場からなくなることはないでしょう。

 熊本市東区健軍 HEART PIANO ハートピアノ教室


↓お問い合わせは、こちらからどうぞ!↓

↓お問い合わせ・体験のお申し込みはこちらから!↓

この教室へお問い合わせ

↑体験レッスンお申し込みも、こちらからどうぞ!↑

このブログへのコメント