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ハートピアノ教室


 小さな嘘を大したことがないと思う人は、それがたとえ全体のほんの一部だとしてもすべてを滅ぼすことが分かりません。

 美術の先生は「見えるものだけを描け。頭で考えた線を描いてはいけない。それは嘘だ。」とおっしゃっていました。その一言でみんなの絵が変わりました。一本でも頭だけで考えた嘘の線を描くと、絵が死んでしまいます。ピアノを弾くときも時々思い出す言葉です。芸術に嘘はつけません。人は安っぽい嘘の匂いはなんとなく嗅ぎつけるものです。しかし人は嘘つきの才能が備わっているのでしょうか。絵を描くにも文章を綴るにも普段の生活でも、嘘は勝手に扉を開けて心の中にニヤニヤと入ってきます。

 ベートーヴェンは音楽に対して一貫して正直でした。彼が少しでも嘘をついてごまかす才能(?)があれば、人の心を揺さぶり続ける音楽は書けなかったはずです。

 よく知られているようにベートーヴェンはスケッチ帳を常に持ち歩いて、ひらめきをすぐに書き留めていました。嘘のない心と身体でキャッチしたその断片は長い時間をかけて様々に変化し、納得のいく形にだんだんと近づいていきました。

 第九は晩年の傑作ですが、その最初の構想は20代だったといわれています。彼は苦しみ、疲れ、絶望しながらも不屈の精神力で強固な創作の困難を深く掘り進み、確かな手ごたえと共にその偉大な作品を地上に築き上げきました。


《美しき混沌。あるのは真実のみ。》


 ベートーヴェンにとって嘘の匂いのするものは音楽ではなかった…。嘘の入り込むすきは1mmもなかった…。彼はスケッチ帳でいくつもの習作を経ながら徹底的に嘘を排除していきました。何度書き直してでも自分の求めている音楽の真実に向かって険しい道を一歩一歩ひたすらに進んでいったのです。一切の妥協を許さないこの徹底ぶりが長い年月を経た現代の私達の心を揺り動かし信頼を勝ち得ています。

 交響曲第3番の始まりがallegro con brio (生き生きと)で高らかに鳴り渡る時、交響曲第5番の第4楽章が渾身の力で輝かしき真実にたどり着こうとする時、ピアノソナタ“ハンマークラヴィーア”の第3楽章が真実を求めて傷つきさまよい歩き第4楽章で苦悩の混沌の中から光を見出していくとき…。それを聴く私たちは限りない勇気と大いなる愛を全身に浴びながら、澄み切った空気に包まれた肥沃で広大なる《本物の》大地を俯瞰するのです。

  HEART PIANO ハートピアノ教室





















































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