ショパンコンクールを聴いて
5年に一度のポーランドでの
〈ショパンコンクール〉
昨年のコロナの猛威で一年延期され
この7月から予選が始まっています。
音源審査を終え現地予選を通過した
150人以上のピアニスト。
日本人も30人以上が参加。
多いですね〜〜凄い。
ライブでもアーカイブでも
演奏を聴くことが出来ます。
ショパンを弾かないピアノ弾きは
いないのでは。。。
それくらいショパンは人気No.1
私も小学生の時から大好きでしたよ〜
さて、いろいろな国ピアニストの
演奏を聴いていて
ふと、感じたことがありました。
◆音楽の流れのちょっとした隙間、というか
”間(ま)” に、風景が垣間 見える
演奏者がいる、、、
静かな湖の向こうに広がる
軽やかな新緑の春の林
鬱蒼とした朝もや漂う森の
しっとりした空気
不気味でおぞましい
嵐吹きまくる夜
震え上がるような稲光
草原にはびこる鬱蒼とした鈍雲
、、、、
そういう自然の景色、詩情 が
ピアノを通して伝わってくる、
速いパッセージを何なく弾く
アクロバティックなテクニックを 越えて
詩情が見えてくる、聞こえてくる、
そんなピアニストがいます。
◆もう一つ強く感じたのが、音 そのもの
フォルテは 強い衝撃か
ピアニッシモは 単なる静寂か
その両極(衝撃&静寂)を
頻繁に行ったり来たりすると、
音楽が、なんというか。。
アクション映画のように
単なる 『緊張と緩和』になり
詩情も情緒も麻痺してしまう。
爆発でも衝撃でもない、
単なる強さ でないフォルテが欲しい
クレッシェンドは 興奮なのか
ディミヌエンドは 脱力か
興奮を伴った拡大ばかりではシンドイ。
興奮しないクレッシェンドが
あってもいい
ダイナミクスの てっぺん と 底
その間を 音が浮遊していたり
拡散したり
凝縮があったり。
上にも下にも行かない
方向性の明確でない音、フレーズ
衝撃 でも
静寂 でも ない 音、音色
エレガンス 洒脱、、、
◆そういう多様な趣きや
複雑な詩情を表現するのに
やはり 美音 は必要だと 感じました。
クラシックの場合は、特に
ショパンを含むロマン派までの音楽は。
◆その美しい音を創るために
充全に調整したピアノで、
繊細な指先で、
研ぎ澄ました耳と感性で、
自分の音をよく聴き
自分の思うところの音色を
生み出していく。
創り上げていく。
そして、それがその演奏者の持つ
音楽性 文学性 詩情とともに
音楽となって響く。
ショパン・コンクール予選を
アーカイブで聴きながら
超一流のピアニストは
確かなテクニックは当然ながら
美音 と 詩情
それも欠かせないもの、
などと今更だけれど 考えていました〜
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