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ドビュッシーの「前奏曲集」から。

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4/21のコンサートで演奏する曲目について、独り言の続きです。


ドビュッシーによる「前奏曲集」から
「霧」
「音と香りは夕暮れの大気を漂う」
「野を渡る風」

霧、香り、風、大気、といった自然現象をピアノ一台で表現している、ものすごい3曲だと思います。

ドビュッシーがこのような作品を書けたのは彼の作曲技法に理由があります。

スポーツにルールがあるのと同じく、作曲にもルールがあります。特に和音についてのルールです。いわゆるクラシック音楽も現代のポップスも、この和音ルールをもとに作られています。

しかしドビュッシーは、この和音ルールを無視した彼独自の作曲技法で先ほどの3曲を作っています。

ルールにとらわれない作曲方法により、音と音の組み合わせの可能性や表現力が飛躍的に広がりました。結果として先ほどのような作品がドビュッシーの手から生まれてきたと言えると思います。



ドビュッシーがある対談で語っていた内容がとても興味深かったので、ここで引用します。
(出典:松橋麻利著『ドビュッシー』作曲家 人と作品シリーズ 音楽之友社)

聞き手:たとえばハ長調のドッペルドミナント第五音下方変異の第二転回形(ラ♭ドレファ#)を鳴らしたら、それは解決しなくてはいけない。

ドビュッシー:そんなことはありませんよ!なぜ?

聞き手:それではこのような三和音の平行(ファラドーソシレーラドミ)をあなたはきれいだと思いますか?

ドビュッシー:ええ、ええ、思いますとも!

聞き手:でも、(中略)理論的にはとんでもない。

ドビュッシー:理論なんてありません。聴くだけで十分なんです。快いことが規則です。

「霧」は、この対談で話題になっている三和音の平行が左手に出てきて始まります。しかも右手は同時に半音や全音上の音をなぞる、というハチャメチャな組み合わせ。和音ルールを知っていたら、えぇぇぇぇぇ!となる組み合わせなのです。

でも、このおかげで、霧の感じが出るんだよねぇ〜!




「音と香り〜」にも属七の和音が連続して出てきて、どれも主和音には解決しません。和音ルールを知っていたら、えぇぇぇぇぇ!となる展開です。

でも、このおかげで、香りが漂っている感じが出るんだよねぇ〜!


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