乗せられただけ？!

生徒さんの演奏にあと少しの抑揚が欲しい時には、私が隣で一緒に歌ったり、身振り手振りで音楽の様子を伝えたりする事が有ります。

勿論、それだけでは細かな事は伝わりませんから、その前には、言葉で様々な事を伝えたり、身体の使い方も見せながら伝えます。

けれどもあと一息、演奏のニュアンスを掴めなかったり、演奏に勢いが足りない時に、生徒の演奏の隣で歌ったり、私の身体の動きを使って誘う様にして、音楽の様子を伝える事も有効な方法だろうと考えています。

この日も、その様に小学校低学年生のレッスンをしておりました。初めは静か過ぎた演奏が、見違える様に生き生きとして来ました。｢そうそう！ほらできた！こんな風に弾けるなんて凄いじゃない！」と伝えると、ポロリと一言、｢でも、ボクただ乗せられて弾いただけだよ」。

確かな感想だと思います。隣で煽る私に乗せられて弾けてしまったのでは、自分で弾けた感じがしませんよね。

次からは、乗せて弾かせて雰囲気を掴めた後に、もう一度、今度は一人で弾いてみて、それから、良い演奏になった事を一緒に喜ぼう！と胸に刻みました。

素直な一言で教えてくれた生徒さんに感謝しています。