発表会

少し前になりますが、発表会を開催しました。昨年に続き、友人のフルート教室との合同発表会です。合同発表会の良いところは、普段フルートを聞く機会のあまりない私の門下生やそのご家族がフルートを間近に聞けることです。フルートは大人の生徒さんが多く、中には大人の初心者の方もおられて、大人になって何かを一から始めることの素晴らしさ、勇気、時間をやりくりして練習しておられるすごさなどいろいろなことを思いました。管楽器奏者にとって息を吸うことは、私たちピアノを勉強する者が「息づかい」を気をつけるより、もっとダイレクトに演奏そのものに直結します。その息づかいを間近で見ることはきっとピアノの生徒さんたちにとっても感じるものがあると思います。

発表会での演奏は、それぞれが自分の勉強の成果を発揮してとても良い会になりました。発表会に向けて少し難しい曲に取り組んだ人、コンクールで一度本番を経験した曲を更に深めて発表会で弾いた人、間に合うのかなという状況から劇的に進化して本番を迎えた人といろいろでした。曲を長期間練習していると、慣れてきてそれが悪く作用することがあります。それは、四角の中を丸く掃くような、表現が小さくなるような方向になってしまう場合です。毎日練習していく中で徐々にそうなっていくので本人はたいてい気づきません。そうなったらレッスンでそれを打ち破ってまた曲を生き返らせるような刺激を与えます。こうやって良くなったり悪くなったりの波がありながら本番に向けて仕上げて行きます。お客さんの前で演奏することは誰にとっても大きな学びとなり、とても大切な機会です。それぞれがしっかり成長していっている様子に喜びを感じた一日となりました。