くちなしの実見つけた！

くちなしの実



くちなし
高野喜久雄・詩
荒れていた庭　片隅に
亡き父が植えたくちなし
年ごとに　かおり高く
花はふえ
今年は十九の実がついた

くちなしの木に
くちなしの花が咲き
実がついた
ただ　それだけのことなのに
ふるえる
ふるえるわたしのこころ

「ごらん　くちなしの実を　ごらん
熟しても　口を開かぬ　くちなしの実だ」
とある日の　父のことば
父の祈り

くちなしの実よ
くちなしの実のように
待ちこがれつつ
ひたすらに　こがれ生きよ
と父はいう
今も　どこかで父はいう

「一人の対話」
高野喜久雄 詩　高田三郎曲け

の中の
最後の曲です。

しみじみとした
心打つメロディ

朝ウォーキングのコースに
たくさんの
クチナシの実
を見つけました。


（朝の散歩コースの一つです）

確かに
熟してもしっかり口を閉じて

何かを待ち焦がれているように
見えました。