♦️いざよひ　十六夜

ピアノを愛する皆さま、こんにちは。

昨日は、美しいお月さまでしたね。


今夜は、十六夜　じゅうろくや　　いざよい。。。です。


十五夜より、遅れて、ためらいがちに月が出てくるので、
いざよひ。。。というそうです。



君や来む　我や行かむの　いさよひに　
まきの板戸も　ささず寝にけり
　　　　　　( 古今和歌集　)



あなたが通ってらっしゃるだろうか。。。
それとも、私が参上した方がいいのでしょうか。。。
ためらいがちな十六夜　いざよひの月のように、
ぐずぐずと迷っているうちに、
寝間の雨戸も閉めないで、寝てしまいました。。。。


当時の女性は、恋人に会いたくても、
自ら外出して会いに行く事は出来なかった。
愛する人が、通ってきてくれるか、夢の中で、訪ねて行って、
思いを伝える事しか出来なかった。
想い迷っているうちに、やがて、そのまま眠ってしまった、という
切ない和歌である。


今宵の月は、どう見えるでしょうね。



恋の歌。。。と言えば、
最近では、小学生に、オペレッタ　『　メリーウイドー　』を、
連弾で、レッスンしていた。


メリーウイドー　とは、レハール作曲のオペレッタである。


その中から、『　閉ざした唇に　』
というアリアを、簡単な連弾ピアノアレンジにしたものを弾いていた。

軽妙なワルツ風の曲。



この作品は、
大人の男と女の、恋愛作品。


なかなか素直になれなかった男女が、
それぞれ回り道をして、ようやく思いを分かり合い、
徐々に二人の距離が近づこうとしている。。。

なんともうっとりとする甘いメロディです。



小学生に、曲の説明をする。。。

恋の歌なんだから、雰囲気をぶち壊すような、
ガサツな弾き方はしないでね。

うっとりと恋する気持ちで弾いてね。
じれったいけど、とても甘い気持ちだよ。。。

この気持ちが分かるかな❓

いずれ、こんな気持ちが分かるかもよ。。。
と言うと。

『　でも、僕、結婚しないと思う。。。　』

『　だって、クラスの女子は、乱暴者で、全然、
いいと思わない。。。　』

。。。と生徒さんが言いました。



うーん。。。
そっっかぁ。
まだ、いい子は現れないかな。。。。


でも、そこは分からないよ。

4、5年もすれば、
乱暴者の女子たちも、突然、ステキな女性に代わって、
急にドキドキしちゃうかもよ。。。



えええー❓
そんな変わるかなあ❓


。。。などと、恋バナをしてしまいました。
。。。。これ、なんのレッスン❓

いやいや、れっきとしたピアノレッスンです。


芸術を語るなら、恋の歌は、恋の歌として、イメージしなくちゃ。


生徒さんには、少し気の早い内容の曲だったかも知れないけど、
やがて、成長した時に、
こんな曲を、昔、ピアノで弾いてたなーーーと思い出して欲しいです。


。。。でも、この作品の、ステキなメロディラインは、
キレイに弾くための、良い練習になったと思っています。



また、これからも、こんな面白い作品をレッスンで、取り上げて
行きたいと思っています。