バッハ

バッハはバロック時代の作曲家。小学生の4年生前後ぐらいから弾き始める方が多いのではないでしょうか。左手が伴奏で右手がメロディーという定型から脱して、同等のメロディーが左右に出てくるという多旋律音楽に接することになります。対位法という作曲方法で書かれているバッハですが。バッハはインベンションとシンフォニアを学習者に書いています。まさに、初めてのバッハがインベンションという方がほどんどだと思います。もちろんプレバッハという教材もあるので、その前に、バロックの曲に触れ合っている生徒さんもいるでしょう。
いずれにせよ、本格的なバロックの作品、バッハのインベンションを是非学んで頂きたいものです。私はこれから、Youtubeでインベンションの演奏や解説もしていこうと思っています。

インベンションは「発明、発案」のような意味ですが、バッハのこのインベンションはこの意味から派生して、まさにインベンションの勉強で必要な大切なテーマを発見するようなもの、つまり、発見されるべき楽想というような意味を持っています。
素晴らしい楽想が、インベンションそのものなのです。
インベンションを弾く前に、先生と生徒さんが、どこにバッハが描くテーマがちりばめられているか、見ていく必要があります。また、その楽想の更に小さな部分（モティーフ＝動機）が変化して現れる、新たな旋律に目を向け、それを注意しながら演奏する。
インベンションは2声（２つの声部）しかないので、つまり、高音部、低音部でのみ構成されており、単純です。それを聴き分け、弾き分ける力、テーマが出てきたらそれを音量的、音楽的に目立たせる、それとは相反した旋律（対旋律）はどれぐらいの音量にしようかなどの、バランス感覚を養うことにぴったりの曲集なのです。

バロック時代のゆったりとした、優雅な、そしてドイツ音楽の質実剛健さを持ち合わせたバッハのインベンションを是非、練習して楽しんでくださいね。

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☆プロフィール
デトモルト音楽大学を首席で卒業。ロベルトシューマン デュッセルドルフ音楽大学にてドイツ国家演奏家資格を取得。2012年カーネギーホールにて演奏会デビュー。イブラ国際音楽コンクールに最優秀賞、ラヴェル特別賞を受賞。アルバ音楽祭、エヴメリア音楽等、別府アルゲリッチ音楽祭に出演。日本ショパン協会パウゼシリーズに出演（東京）。2019年大阪のYoshuホールにてオールラヴェル作品によるラヴェルシリーズ全3回を開催。エリーゼ音楽祭他、多数のコンクール審査員。ピティナステップのアドバイザー。 指揮者西本智実氏率いるイルミナートフィルのアーティスト。 ピティナ正会員、大阪音楽大学音楽院講師。