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「月の光」もう一つの意味

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先日レッスンが終わって
ふと空を見上げたら…
霧に霞む月がとても綺麗でした。

昨日は十五夜でしたね。
あいにくの曇り空で、
私の住まいからは見ることが
できませんでしたが、
皆様はいかがでしたか?


月と言えば、
ドビュッシーの
「月の光」という曲があります。

月光に照らされた風景が
幻のように美しく、
静かに夜に染み入るような作品です。


しかしドビュッシーが描こうとしたのは、
月の光の美しさだけではありませんでした。

この曲には、
元になっている詩があります。

それはポール・マリー・ヴェルレーヌという
フランスの詩人が書いた、
詩集「雅(みやび)なうたげ」に収められた
「月の光」という詩です。

「あなたの魂は選りすぐった風景画
魅惑的な仮面 ベルガモの衣装
リュートを奏で 踊りゆく
幻想的な仮面の下に悲しみを隠し」

月明かりの中で素敵な仮面をつけた人々が
古風な踊りを静かに、
楽しそうに踊っていますが、
心の奥には悲しみを抱えている…
このような意味です。


そこには楽しいことと悲しいこと、
相反するものが一体となった
あいまいな世界が描かれています。

ドビュッシーは言葉を使わずに、
音楽でそのあいまいな世界を描いたのです。

「月の光」の美しさの陰で
ざわめきのようなものが感じられるのは、
「悲しみ」であり、それがこの曲の
もう一つの意味であると言われています。


ドビュッシーは、
当時の音楽の世界では
規則違反とされながらも、
自分が美しいと思う音楽を
追求していきました。

繊細な音楽とは裏腹に、
自由奔放な人生を送り、
時に人を深く傷つけて
しまうこともあったようです。

それは幼少期に受けた心の傷が
原因とも言われています。

天才と言われ、
現代音楽にも多大な影響を与えた
ドビュッシーですが、
実は心の中にたくさんの
悲しみを抱えていたのかもしれません。


私たちは誰でも
何か悲しいことがあっても、
表に出さずに明るく振舞ったり
することがあるのではないでしょうか。
もともと心の中には
さまざまな感情が混在していて、
ひとことで表すのは難しいのかもしれません。

時に、難しい、とっつきにくいなどの
印象を持たれてしまうドビュッシーですが、
そう考えると、この「名曲」との距離が
近くなるような気がしませんか?


ドビュッシーが見ていた月と、
今私たちが見ている月は同じです。
「月」は時代が変わっても
人間の心の奥にある弱さや
健気さ、人知れず頑張っている姿などを、
ずっと静かに見守り、
やさしく照らし続けてきたのでしょう。

それは「月の光」に描かれた
神秘的でどこかあたたかい世界観
そのもののように思います。



時には夜空を見上げたり、
「月の光」を聴いたり弾いたりして、
ドビュッシーの世界観に
触れてみてはいかがでしょうか。


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