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忘れられない生徒

私が初めてピアノを教えたのは大学2年生の時で、出張レッスンでした。


生徒ちゃんは5歳の女の子で、その時すでにバイエルの下巻が終わろうとしていました。


お母様はピアノの経験は無いとの事でしたがとても熱心な方でした。


レッスンはカセットテープとメモを用意して同席されて、私がマルをあげないと5歳ちゃんに、



「もう一度弾かせて頂きなさいっ!」
と仰る。



それでもマルをあげないと5歳ちゃんはママの方を向いて、


「ママ、怒らないで、、」
と言う。


なんだかとても先へ先へと急がれる、と言う印象でした


テキストは進み過ぎている位なのに、それに見合った力が付いていないので、バイエルが終わると次に何に進んだら良いのか、とても悩みました。


そして長〜い時間楽譜売り場に居て、これだ!と思う楽譜を見つけて渡しました。

渡した翌週に伺うと、





「スミマセン、先生の選んで下さった楽譜ではなくて、こちらをやらせたいと思って買って来ました。

そしてもうこれを練習してあるのですが、この楽譜でレッスンして頂けますか?」

と丁寧に言われました。





びっくりし過ぎてその場では何も言えませんでした。


家に帰ってから、

「このまま自分の考えに基づかないレッスンは出来ない。お話しに行って辞めさせて頂こう!」

と決心しました。



翌日伺って、

「私は経験も無い学生ですが、考えがあってテキストを選んでいます。
残念ですが辞めさせて頂きたいと思います」

と勇気を出して言いました。




するとお母様の目から涙が。。

そして胸の内を話して下さいました。



お隣の家からお嬢さんの弾くピアノの音が毎日聞こえてくる事。

こちらの音も聞こえていると思うので、どんどん進ませたかった事。
などなど。。


私は、

進度で人と競争する事は何も意味がない事。

大事なのはその曲をどんな風に弾いたか、と言う事だと思う。

等、話をさせていただきました。


お話をしているうちに、なんと最後にはレッスンを続ける事になりました。





その後お母様とは良い関係が続き、何年か後に彼女は、とあるコンクールで賞も戴きました。


未熟だった私はこの生徒ちゃん第1号から実に沢山の事を学ばせて頂いたのでした。



お読み頂きましてありがとうございました。


では又、ごきげんよう。


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