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シューマンのピアノ曲 15 ー 歌の年

 シューマンとクララが結婚できた1840年を、彼自身「歌曲の年」呼びましたが堰を切ったように歌曲の創作に没頭します。
 シューマンはロマン派文学に精通していたので、おそらくシューベルトを範とした歌曲集を創作したいという意欲は以前からあったものと思われますが、結婚の成就を機に心の平安が得られたため、辛い現実から逃避するためのピアノ創作への意欲も減少し、新たな分野へと気持ちが移ったのではないでしょか。
 ゲーテ、ハイネ、リュッケルト、アイヒェンドルフ、シャミッソーなどシューマンの愛するロマン派詩人たちの詩と、彼特有のロマンティックなピアノ伴奏を融合させて、ほぼ1年間に20に及ぶ歌曲集を創作したのは驚くべき集中力だと思います。
 その後シューマンとクララは穏やかで幸せな家庭を築いていきます。
 (森直紀)


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