教える立場とは

私が教える立場となった今、いつも心に響いている恩師の言葉があります。

「私もあなたたちからたくさん学ばせてもらっているの」

この言葉は、９年間恩師のもとで研鑽していた間何度か言われた言葉です。

あるレッスンで、なかなか恩師が求めているものを言われた通りにできず。。。
頭で分かっているのだけれど、なかなか恩師が言うように弾けない。

でも恩師はあの手この手、分かるまで言葉の表現を変えたりして私が本当に分かるまであきらめません。

そして私がやっとできた瞬間！

恩師は私の目をまっすぐ見てこう言うのです。「私もあなたたちからたくさん学ばせてもらっているの」

どうやったら伝わりやすいのか。ということを先生もずっと探っているのです。
先生も、その瞬間「こういう教え方をしたら生徒に伝わるんだわ！」と先生も学んだのよ。
と言うのです。

恩師はかの有名な世界的ピアニスト、イーヴォ・ポゴレリッチの師でもあります。
彼の奥様でも師でもあったアリサ女史がなくなられた後、アリサ女史と同門で同じくリスト・ジロティ楽派を受け継いだマリーナ女史は、ポゴレリッチ氏の師となります。

そんな世界的有名なピアニストを教えてらっしゃるマリーナ女史が私にそう言うのです。

私に、「この子は言ってもすぐわかってくれない子」
　　　　「言ってもできない子」　というラベルを貼らずいつも真摯に向き合ってくださいました。

私の好きなアインシュタインの言葉。

学べば学ぶほど、
自分がどれだけ無知であるかを
思い知らされる。

自分の無知に気付けば気付くほど、
よりいっそう学びたくなる。

アルベルト・アインシュタイン

教える立場になってからも、学ぶことばかり。
生徒の皆様に感謝です。