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ブレンデルのベートーヴェン

 久しぶりにブレンデルのベートーヴェンの後期の3つのソナタを聴いてあらためてその素晴らしさに打ちのめされました。1995年9月サントリーホール、64歳の公演です。

 奇抜なことは何もしないのに音楽が雄弁に語りかけてきて、自然な流れの中でしっかり地面を踏みしめているような安定感があり、他のピアニストが作為的にきこえてくるほどです。


 ピアノをやっているなら必ず立ちはだかるベートーヴェン後期のソナタ。技術的にも精神的にも成熟しないとなかなか弾けませんし、更に説得力を持って弾くのは至難の業です。ブレンデルは優しい響きで包むだけでなく、無理なく深く響く強烈なフォルテも使いながら、これぞベートーヴェンという音で音楽を紡いでいきます。


 彼はエドッウィン・フィッシャーに学びました。レパートリーを限定し、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンといった、ドイツ・オーストリア音楽の王道とも言うべき作曲家の作品と、リストを得意としています。



 そんな巨匠ブレンデルですが、演奏中の彼は絵的にかなり個性的。まず髪型がサザエさん、そして表現にはあご技が不可欠です。(弾きながら下あごをぐるぐると水平方向に回すように常に動かしながら音楽の中に没入していく)強度の近視の目はほとんど半開きで、ベートーヴェンの深い世界を体感しているように見えます。そして背が高く足が長い。だからでしょうか…少しズボンが短い感じがします! (自分の息子だったら注意するところですが…)


 2008年、77歳で引退。ウィーン・フィルとのさよならコンサートはCDになっています。しかし、すっかり引退してしまったわけではなく、指導者や作家としても活躍中。またレクチャーコンサートも元気に開催していて、その演奏は全く今でもおとろえていないそうです。


 彼の著書を読めばどんなに頭がいいか分かります。知的な男性は素敵だし、知的なピアニストも好きなのでブレンデルは私の好みです。(でも好きな芸能人に挙げると、音楽をやっていない家族には必ず笑われます。みんな小栗旬とか言うのが普通と思っているので。.)しかしこの人はもしかして食事中でもいつもいつも音楽の話しかしない。(かも知れない)その内容はいつもマニアックで、面白いときもあれば私のレベルでは理解しにくいこともいっぱいあります。(かも知れない)そんな時は、たくあんでもかみながらふ~んと一応の相づちは打っておいて頭の中でその日の夕飯の献立なんかを私は考えています。(かも知れない)しゃべる時はきっとあご芸はせず、あの頭の良い人独特の機関銃のように早い語り口で溢れる知識を流れ出させるのでしょう。(かも知れない。レクチャーコンサートに行ったことがないので知らない。)と、著書を読みながら妄想します。


 アバドもマリナーも逝ってしまいましたが、彼にはもっともっとお元気でいてほしいです。

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