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ピツィカートの魅力

 弦楽器は弾けませんが、『ピツィカート』は弓で弾いた時とは全く違う音になり、使われる楽曲によって驚くほど様々に表情を変えるところが魅力だと思っています。



 『ピツィカート』が喚起するイメージには実にたくさんのバリエーションがあります。 一番有名な『ピツィカート』の曲は、その名も“ピツィカート・ポルカ”(J・シュトラウスII世作曲)でしょうか。ウィーンのニューイヤーコンサートではこの曲をバックに、美しい衣装を着たバレリーナ達が長い手足で優雅に踊る場面が放映されるので、いつの間にか『ピツィカート』のイメージが美しい夢の世界、まるで羽の生えた華奢な妖精が踊っているようなイメージが強く残ります。同じイメージで“メヌエット”(ボッケリーニ)。こちらもやはり美しい少女や自然の風景を思い起こさせます。


 しかし“交響曲第5番第2楽章” (ベートーヴェン)となればオーケストラを目立たないように支えながら彩っていく『ピツィカート』は、大いなる大地と太陽の温かさのような感じです。弾力のある響きは木管や他の弦楽器と絡み合い、安らぎが立ちのぼります。それに対し第3楽章での『ピツィカート』は一転孤独なつぶやきのようです。“交響曲第4番第3楽章”(チャイコフスキー)でも『ピツィカート』は幻想的な世界を点描していきます。


 “弦楽四重奏曲ヘ短調第3楽章”(ラヴェル)はまた違う『ピツィカート』の世界を聴かせます。単純に「うれしい」とか「悲しい」とかでは言い表せない、ざわざわする実体のつかめない焦燥感、見てはいけないものを覗かされるような恐怖、時空を超えていくようなそわそわした感じ…。弦をはじくという物理的な緊張感と、音楽が言おうとすることのせっぱつまった感情との両方の力学が、何かが充たされないような感覚を呼び覚まします。


 同じくラヴェルの“ツィガーヌ”には『左手ピツィカート』という超絶技巧が使われています。また“ツィゴイネルワイゼン”(サラサーテ)にもこの部分がありますが、以前伴奏した時のソリストはとても見事で難しさを少しも感じさせませんでした!(ピアニストとしては後半のテンポアップしてからの繰り返しという低次元なミスをしないかで頭がいっぱいでしたが…)


 このように『ピツィカート』の多面性には驚かされます。そしてその技術は単なる驚きの技を超えて音楽の感動へと私達を誘います。何の楽器もそれぞれに色々な技術と難しさを持っており、それらが更なる素晴らしい音楽世界への扉の鍵の一つであるのは間違いありません。


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