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こどものレッスンで悩ましいこと

こどものレッスンを進めていくうえで、悩ましいことがあります。

「楽しんで練習していくうちに、技術や感性が磨かれて上達すること」
これが理想的だと私は考えているのですが、
「楽しいと思うこと」と「技術や感性を磨くこと」を両立するカリキュラムを
考えることが、実に難しいのです…

まず第一に「楽しい」とは何ぞや?
誰かが面白いことをやってくれているのを受け身で眺めているだけで得られる「fun」と
自分が努力した結果得られる「interesting」は
明らかに質の異なる「面白い」という感情だと思うのですが、
この「interesting」を全ての子供たちに「楽しい」と感じてもらえるように
レッスンで持っていくことはなかなかに難しいです。
(大人の生徒さんだと比較的すぐ理解していただけるのですが…)

以前、こんなことがありました。
当時小学校低学年だった男子生徒が、他教室に通うお友達の発表会を観に行ったとのこと。
その発表会では、はやりのJ-popやアニメソング、ゲーム音楽などが
ズラリとプログラムに並んでいたということを目を輝かせて話してくれました。
まもなくその子は友達の通う教室に行きたいからと私の教室をやめていきました。
どうやら、この教室に通っていたらそういう曲はやらせてもらえそうにないと
親御さんが判断されたようです…

確かに、TVやネットでよく耳にするはやりの曲や好きなアニメ・ゲーム音楽などが弾けたら、
絶対嬉しいに決まっています。
でも、そういう曲ばかりレッスンで取り上げていたら、
ピアノを弾くのに必要なスキルを効率よく身につけることが難しくなってしまいます。
さりとて、音楽に要求される繊細な表現が思い通りにできるようになるには時間も必要で、
この「interesting」はそう簡単に得られるものではありません。
う~ん、悩ましい!

私は、自分がジャズのピアノトリオで演奏活動をしていることもあり、
「クラシック音楽以外は音楽じゃない」みたいな保守的な感覚は全く持っていませんが、
将来どんなジャンルの音楽にでも進んでいける基礎的な技術や感性を育てるには、
特にこどもの場合には、クラシックが一番適していると考えています。
もちろん、クラシック以外の曲は一切やらせないというわけではなく、
レッスンの中で取り入れていくことは多々あるのですが、
少なくとも発表会のプログラムにはやりの曲ばかりが並ぶことはありません。
中には、成長するにしたがってクラシック以外の音楽を志向する生徒さんも出てくるので、
そういう生徒さんのレッスンでは、ある程度基礎力をつけてもらった後に、
コード奏法やバックビートのリズムやノリ、自分でアレンジする方法などを
カリキュラムに据えています。

先ほどの男の子はまだ初等教本の半ばくらいの進度だったこともあり、
ポピュラー系の難しいリズムやメロディをとてもこなせるレベルになかったのですが、
こどものレッスンでなぜクラシックをレッスンの中心に据えているのか、
もう少し親御さんに理解していただくような努力ができなかったのかな、
と反省しきりでした…

正直、ピアノを弾く基本的な技術があれば、
レッスンで取り上げられなくても自分でどんどん弾けるようになるのでは?
(子供の頃の私自身はそうでした)
とも思うのですが、事はそう単純ではないのですよね…
う~ん、悩ましい!

音楽が多様化している現代、ピアノを弾くことの位置づけも1人1人異なると思います。
子供にどうなってほしくてピアノを習わせようと思っていらっしゃるのか、
親御さんの声にも、もっともっと耳を傾けていかなければと思っています。


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