学ぶということ(2)
さて、あなたが美大生ならどんな行動をおこしたでしょうか?
前回の続きです‥
美大生は教授に理由を聞きに行っても、大したアドバイスは貰えません。
もう一度、教授に理由を尋ねると
「人形の後ろはどうなっている?」
と言われました。
美大生は、後ろなんて描かないし関係ないのにと思いながら、試しに人形の近くに行き、後ろを見てみました。
すると、人形が来ていた服は後ろにギャザーがついており、微妙にそのギャザーのシワが前へと繋がっているようなデザインでした。そしてそれは、前から見ただけでは分からないものでした。
また、触ってみると、思ったより生地がツルッとしていたりと気付くことが沢山あったそうです。
その後、気付いた点を参考にデッサンをすると、次々と自分の絵が合格になっていきました。
後にその美大生は、それが自分にとって学ぶということの始まりだったと言っています。
さて、この出来事、あなたならどう解釈しますか?
ただのムカつく教授だと感じる人もいるかもしれません。
真面目に授業しろよと思う方や、効率の悪いやり方だと思う方もいるかもしれません。
実は、私の学んでいた学校でも似たような事がありました。
私のクラスではなかったのですが、
そのクラスでは、先生がただ採点するだけで、改善策ややり方をわかりやすく教えてくれず、生徒たちは皆でボイコット。見兼ねて学長が自ら授業をするということがありました。
私は学生ながらに、もったいないな~‥と内心思っていました。
なぜなら、私も中学時代に師事していた先生が、そのような先生で、そこでは沢山のことを学び、自らやり方を探し、その経験がどれだけ今、身になり役に立っているかを実感しているからでした。
この話に出てくる美大生の行動を箇条書きにしてみます。
・不合格が続き、教授に理由を聞きに行く。
・何故かを考えるかわからないが、何度も描き方を変えてチャレンジしてみる。
・分からないから、再度教授に聞きに行く。
・何度も聞きに行き、ヒントとなる助言を貰う。
・半信半疑で人形を見に行く。
・気付いた点をデッサンしてみる。
書き出すと、こんなに沢山の行動が見えてきます。
これが習うと学ぶで大きく違う点だと思います。
人から与えられることを待っていては、何も学べません。
何故なのかと自ら疑問を持ち、自分から探しに行き、得たものこそが学ぶことだと思っています。
そして、次に大事な事。
美大生は、他の人であれば投げ出しているかもしれない段階でも決して諦めなかった事。
この話は、ピアノ講師である私にも大きな気付きとなる話でした。
それはこの教授の行動です。
教える方としても実は、凄く時間がかかり、イメージも悪くなり精神的にもしんどく、効率の悪いやり方です。
なのに何故教授は、ブレずに生徒に教えないということが出来たのか。
それは、1点だけ。「生徒を信じているかどうか」だと思いました。
長い間、生徒に教えていると、いくつかのパターンが出来てきます。
この教本が終わったら、この本。これが出来たら次はこれ。こう言えば出来る。この練習をすればこれが出来る。というように‥
それは経験値となり自信にもなるのですが、同時にそれに頼ってしまい型にはめたレッスンをしてしまいます。
そして、生徒も受け取るのみで、自ら探しに行くことがなくなり、モチベーションも下がってしまう。
出来ないことがあると、諦めてしまう。受け取り待ちになってしまう。
これは、ピアノだけの話ではないのではないでしょうか。
学校でも、人間関係や勉強、大人になれば、仕事や生活の中で、受け取り待ちになっていないでしょうか?
検索すればすぐ答えが出る時代、答えのない自分なりのやり方や答えを探し求めることがなかなか少なくなってきているような気がしています。
私もまた、長くピアノ講師を続けてきて、いくつかのパターンに縛られていたと気付いた一人です。
私は、大学卒業してすぐに、産休の先生に代わって1年間だけ保育園の一室を借りて教えていた時期がありました。
その頃、私は教えることも初めてで、試行錯誤していたように思います。
ですが、今思えば、その頃が1番生徒を信じてレッスンしていたように思います。
ピアノを弾く気がなく遊び始める子には、あえて声ををかけず、私が曲をさらい始めたり‥
一向に練習して来ないでやる気を感じない子にはそのまま帰ってもらったり、その場で一人でさらってもらったり‥
お月謝もらっておいてなんてことだ!と思う方もいるかもしれませんが、それもレッスンの内だと思ってやっていました。(当時そんなことをおっしゃる方はいませんでしたが、厳しくし過ぎて保護者の方がお怒りになることはありました。)
海外から帰ってきて、経験も積み、教える期間が長くなるにつれて、そんな初心も忘れてしまっていたなと気付くきっかけとなる話でした。
もちろん、ピアノを始めたばかりのお子様や、初心者の方には、ちゃんと一つ一つ教えていくのですが‥(笑)
ある程度、出来るようになったら、そのようなアプローチもあっていいのかなと思っています。
あえて教えない‥
私のこれからのテーマになりそうです☆
Piano教室wellen
前回の続きです‥
美大生は教授に理由を聞きに行っても、大したアドバイスは貰えません。
もう一度、教授に理由を尋ねると
「人形の後ろはどうなっている?」
と言われました。
美大生は、後ろなんて描かないし関係ないのにと思いながら、試しに人形の近くに行き、後ろを見てみました。
すると、人形が来ていた服は後ろにギャザーがついており、微妙にそのギャザーのシワが前へと繋がっているようなデザインでした。そしてそれは、前から見ただけでは分からないものでした。
また、触ってみると、思ったより生地がツルッとしていたりと気付くことが沢山あったそうです。
その後、気付いた点を参考にデッサンをすると、次々と自分の絵が合格になっていきました。
後にその美大生は、それが自分にとって学ぶということの始まりだったと言っています。
さて、この出来事、あなたならどう解釈しますか?
ただのムカつく教授だと感じる人もいるかもしれません。
真面目に授業しろよと思う方や、効率の悪いやり方だと思う方もいるかもしれません。
実は、私の学んでいた学校でも似たような事がありました。
私のクラスではなかったのですが、
そのクラスでは、先生がただ採点するだけで、改善策ややり方をわかりやすく教えてくれず、生徒たちは皆でボイコット。見兼ねて学長が自ら授業をするということがありました。
私は学生ながらに、もったいないな~‥と内心思っていました。
なぜなら、私も中学時代に師事していた先生が、そのような先生で、そこでは沢山のことを学び、自らやり方を探し、その経験がどれだけ今、身になり役に立っているかを実感しているからでした。
この話に出てくる美大生の行動を箇条書きにしてみます。
・不合格が続き、教授に理由を聞きに行く。
・何故かを考えるかわからないが、何度も描き方を変えてチャレンジしてみる。
・分からないから、再度教授に聞きに行く。
・何度も聞きに行き、ヒントとなる助言を貰う。
・半信半疑で人形を見に行く。
・気付いた点をデッサンしてみる。
書き出すと、こんなに沢山の行動が見えてきます。
これが習うと学ぶで大きく違う点だと思います。
人から与えられることを待っていては、何も学べません。
何故なのかと自ら疑問を持ち、自分から探しに行き、得たものこそが学ぶことだと思っています。
そして、次に大事な事。
美大生は、他の人であれば投げ出しているかもしれない段階でも決して諦めなかった事。
この話は、ピアノ講師である私にも大きな気付きとなる話でした。
それはこの教授の行動です。
教える方としても実は、凄く時間がかかり、イメージも悪くなり精神的にもしんどく、効率の悪いやり方です。
なのに何故教授は、ブレずに生徒に教えないということが出来たのか。
それは、1点だけ。「生徒を信じているかどうか」だと思いました。
長い間、生徒に教えていると、いくつかのパターンが出来てきます。
この教本が終わったら、この本。これが出来たら次はこれ。こう言えば出来る。この練習をすればこれが出来る。というように‥
それは経験値となり自信にもなるのですが、同時にそれに頼ってしまい型にはめたレッスンをしてしまいます。
そして、生徒も受け取るのみで、自ら探しに行くことがなくなり、モチベーションも下がってしまう。
出来ないことがあると、諦めてしまう。受け取り待ちになってしまう。
これは、ピアノだけの話ではないのではないでしょうか。
学校でも、人間関係や勉強、大人になれば、仕事や生活の中で、受け取り待ちになっていないでしょうか?
検索すればすぐ答えが出る時代、答えのない自分なりのやり方や答えを探し求めることがなかなか少なくなってきているような気がしています。
私もまた、長くピアノ講師を続けてきて、いくつかのパターンに縛られていたと気付いた一人です。
私は、大学卒業してすぐに、産休の先生に代わって1年間だけ保育園の一室を借りて教えていた時期がありました。
その頃、私は教えることも初めてで、試行錯誤していたように思います。
ですが、今思えば、その頃が1番生徒を信じてレッスンしていたように思います。
ピアノを弾く気がなく遊び始める子には、あえて声ををかけず、私が曲をさらい始めたり‥
一向に練習して来ないでやる気を感じない子にはそのまま帰ってもらったり、その場で一人でさらってもらったり‥
お月謝もらっておいてなんてことだ!と思う方もいるかもしれませんが、それもレッスンの内だと思ってやっていました。(当時そんなことをおっしゃる方はいませんでしたが、厳しくし過ぎて保護者の方がお怒りになることはありました。)
海外から帰ってきて、経験も積み、教える期間が長くなるにつれて、そんな初心も忘れてしまっていたなと気付くきっかけとなる話でした。
もちろん、ピアノを始めたばかりのお子様や、初心者の方には、ちゃんと一つ一つ教えていくのですが‥(笑)
ある程度、出来るようになったら、そのようなアプローチもあっていいのかなと思っています。
あえて教えない‥
私のこれからのテーマになりそうです☆
Piano教室wellen
このブログへのコメント