魔法の杖は本物だった

幼稚園の女の子の生徒さん。

アニメの魔法の杖を持参で、毎回レッスンに来てくれる。

普段はレッスン中に、触ったり遊んだりはしないので、何も注意もしていない。


かなり静かな生徒さんで、ギリギリの必要な言葉しか発しない。

それでもコミュニケーションを取るには困らないくらい、こちらに気を配ってくれているのかな？と思えるくらい話はしっかりと聞いてくれている。



時々うがいなど、少し苦手なことで時が止まってしまったときなど、魔法の杖を握ると出来たりするという便利なアイテム(笑)


その日は少しだけご機嫌で教室に入ってきて、いつもよりもレッスンも頑張って「さぁ！うがいと手洗いだー」と洗面台に向かおうとした瞬間、ピアノに当たって転げてしまった。

急なアクシデントでの驚きからか泣き始めてしまった。


初めて泣いたのでビックリ！


しかも割と強めに泣いているので、ケガした？と思って「どこか痛い？見せて」というと左足。

膝の少し上くらいを指しているが、切れたりはしていないし"ここが当たった所だ"と思える跡形もなかったので、やっぱりビックリして思わず泣いてしまったら感情が膨れて、どんどん激しく泣いてしまっている？という感じ。


魔法の杖を振って「痛いのが消えて無くなれ～」と言うとピタ！っと泣き止み、その直後は"にまぁ～"と笑った。（ホッ）


「痛い所はない？」と聞くと元気に「なーい」と、、

良かった～良かった～って、あれ？


さっきの返事、今まで一番大きな声で一番しっかりとした声だった！

この魔法の杖はこの子にとってホンモノなんだと魔法の杖を信じる自分がそこにいた(笑)


今度この子がレッスンに来た時に魔法の杖を借りようかな？

うーん、願い事はやっぱりピアノのことかな？