動画を送り合ってのレッスン

この２月はコロナ感染症拡大の為、対面レッスンをお休みとし、動画レッスンの試みを本格的に始動しました。

これは、双方向タイプのオンラインレッスンでは、お互いのやり取りに画像や音声の乱れも多く、演奏の微細な事柄を伝え合うにはストレスも多いと考え、ならば生徒さんの演奏動画と、私からのレッスン動画を送り合う形でのレッスンをしてみようという試みです。苦肉の策では有りましたが、実際に始めてみた所、案外良い方法であったかと感じています。

動画レッスンでは、先ずご自宅でお子様の演奏をスマホで撮影していただき、レッスン時間までにラインにて送信していただきます。(ラインでは5分以内の動画を送れますので、曲ごとにいくつかに分けて送信していただきます。)
良い演奏を撮ろうと気負わなくて大丈夫です。お休みの可能性が判っている時は、前日までに撮った物でも良いのですよ。

私からは、生徒さんの演奏について、良かった事や、直した方が良い事柄について、動画の中でお話したり、弾いてみたり、更にその為に必要な手腕の動かし方を映したりしながら返信の動画を作り、再びラインに送信します。

直すポイントは短い曲ならば１〜３つ、長い曲でもなるべく５つ以内に絞り、家での練習時に少しでも取り組み易いように心掛けています。

実際に返信する動画数は、とても短い曲ならば１動画。中規模の曲では２〜３動画と、それにプラスして、ちょっとした記号を書き入れた楽譜の写真を送ったりします。動画の中でも楽譜を指差しながらお伝えする事もできますので、その時々で伝わり易い方法を選びます。

更に、これから取り組む新しい曲に付いての動画をお送りする事もありますので、中規模以上の曲が多い生徒さんでは、３〜５分の動画のトータルが３０分近くになることもあります。

レッスン用の動画作成は実際のレッスンよりも時間がかかる事も多いのですが、楽しくも有り、又自分の教え方を画面越しに再チェックできて、なかなか勉強になる時間でもあります。

生徒さんのお母様には、演奏撮影時や、私からの動画を見ていただく時にもご協力いただく形になりますので、心より感謝いたします。

大人が通常よりも少しずつ力を使って成り立つ動画レッスンには、生徒さんもとても良く応えて練習して下さり、又、良くわかった、動画を何度も見れて良かった、等のお声も寄せていただけました。この事には大変心強く、励まされる思いがします。

勿論、日頃の対面レッスンあっての動画レッスンです。
対面レッスンにて、例えば、音が上に飛んで行くイメージをお伝えし、体感し、更にその為の打鍵の仕方を、実際に手を持ってお伝えするからこそ、動画内での１言を「ああ、あの事ね！」と理解していただけるのだと思います。

今は、お互いに動画レッスンで力を蓄えながら、また対面レッスンが出来る日を楽しみに待ちたいと思います。