昔話

これは私が大学院生の頃のお話です。

当時は出張レッスンに行っていました。
そのとき受け持っていた中学3年の女の子のこと。
その子はおとなしいけれどとても芯の強い子でした。
私とはとても気が合い、付き合いが長くなるにつれてピアノ以外のいろんなことも話すようになりました。


そんなある日、お母様が泣きそうなお顔で「○○が学校に行かないです。昼夜逆転して…」とおっしゃいました。

その子はネットに夢中になり、朝起きれなくなって登校できなくなってしまったのです。


詳しくは割愛しますが、もう…当時の私、まだ23歳。ぜんっぜん的を得たアドバイスをすることができませんでした。
とにかくお母様のお話を聞き、女の子のお話を聞き…。(幸い彼女とは信頼関係ができていたため、学校には行けなくてもピアノを休むことはありませんでした)

何とか少しずつ登校できるようになりました。

それからは、なぜかピアノのレッスンのあとに数学と英語を一緒に勉強することになり。
晩ごはんをいただいたり焼き肉に連れて行ってもらったりと、本当に良くしていただきました。
また、私が出演する演奏会には必ず足を運んでくれました。


この件があってから、将来ピアノ講師になったら子供の力を伸ばすことだけでなく、保護者の方の力にもなりたいと強く思うようになりました。


私自身、子供を育てる親となった今、子育ての難しさに日々直面しています。
嬉しいことや楽しいことだけでなく、辛いときや苦しいときも寄り添えたらと思います。
そして今後もずっと、そんな講師を目指していきます。