森ピアノ教室
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好き嫌い
【だんだんでいいから、あらゆる重要な大家の重要な作品を、全部覚えていかなくてはけない。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 音楽史に名を残す偉大な作曲家は時代や様式の違いだけではなく、皆独自の個性を放ち、それぞれかけがえのない傑作を残しています。ピアノを学ぶ子供たちが、偏りなく色々な作曲家を理解し、作品を愛奏できるようになるためには、小さい時から血となり肉となりうる重要な作品をくまなく学んでいくことが大切です。 初めて取り組んだ作曲家の曲がうまく弾けなくて、苦手意識を持ち嫌いになってしま... 続きを読む
2019年3月25日
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時間節約
【勉強する曲を選ぶときは、いつも年長者に訊ねること。大変時間の節約になる。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 自分よりも経験豊富な先輩が身近にいて、わからないことを色々聞くことができたらとても幸せですが、現代ではだいたい指導者がその役割を果たしていますね。 音楽だけではなく何事にも良い指導者を得ることは、上達への近道と言えるでしょう。学習途上の子供達に今何が必要かを見極め、適切な選曲を行うのは経験豊富な指導者でなくてはできないことですから。 もちろん自主的に判断できる力を育てることは... 続きを読む
2019年3月19日
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芸術への侮辱
【立派な作曲家のどこかを変えたり、削ったり、あるいはそれに流行の装飾をつけるようなことはいけないことと知りなさい。これは、芸術に対する最大の侮辱だ。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 当時、演奏家が作品に手を加えて弾くことは当たり前のことでした。オクターブ上下に音を加えることはもちろん、和音の音数を増やしたり、演奏者の好みに合わせて和音そのものを変更したり、洒落たパッセージを挿入したり、聴衆が退屈しないように長い作品をカットしたり、現代では到底考えられないことが普通に行われていたのです!... 続きを読む
2019年3月13日
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作曲家ファースト
【いわゆる華麗な弾き方が、達者にこなせるようになろうと心がけないように。ある曲を弾くときには、作曲家の考えていた印象を呼び起こすように努めなければいけない。それ以上をねらってはいけない。作家の意図を超えたものは、漫画と同じだ。】(シューマン:音楽の座右の銘より) ロマン派の時代はヴィルトゥオーゾがもてはやされました。ヴァイオリンの鬼才、ニコロ・パガニーニが現れてヨーロッパ中の音楽ファンを熱狂の渦に巻き起こむのですが、その神業に魅了されてピアノのパガニーニを目指す多くのピアニストが登場しま... 続きを読む
2019年3月7日
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聴衆の心得
【悪い作品を演奏してはいけない。また他に仕方のない事情がない限り、そんな曲を熱心に聴いてはいけない。—】(シューマン:音楽の座右の銘より) シューマンにとっては、自分自身を含めて優れた才能を持つ作曲家を正当に評価することも出来ずに、音楽的内容が乏しく軽薄な作品を生み出す流行作曲家たちに熱狂する当時の聴衆も不満の対象となりました。聴衆の音楽的鑑賞力のレベルアップの必要性も痛感していたのでしょう。 「音楽の座右の銘」の中でも、これから音楽を勉強していく若者たちが、そのような大人にならないよう... 続きを読む
2019年2月27日
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悪い作品
【悪い作品をひろめてはいけない。反対に力の限り抑制するよう、協力しなければいけない。—】(シューマン:音楽の座右の銘より) ヨーロッパのクラシック音楽は元来教会や封建君主などの特権階級のためのものでした。しかし産業革命後の市民階級の台頭に伴い次第に富裕層から一般大衆までが享受出来るものとなり、多くのアマチュア音楽家も生まれ人々は日常的に音楽を楽しめるようになりました。 そうした中で高い専門知識を持たない音楽愛好家たちの増加により、娯楽色の強いわかりやすい作品を求める傾向が強まり、大衆受け... 続きを読む
2019年2月21日
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ヴィルトゥオーゾ
【およそ派手なばかりで内容のない売り物は、時代と共に流れてしまう。技巧は、より高い目的に奉仕している時だけ、価値がある。】(シューマン:音楽の座右の銘より) シューマンの時代はヴィルトゥオーゾのもてはやされた時代で、聴衆は彼らの圧倒的なテクニックに熱狂しました。代表選手であるリストはその芸術性の高さから例外的に現代にも通用する天才ですが、他にもカルクブレンナー、タールベルク、ヘンゼルト、ヘラー等、そして今では名前も忘れられてしまった多くのヴィルトゥオーゾ・ピアニストたちが活躍していました... 続きを読む
2019年2月15日
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教材選び
【ビスケットやお菓子のような甘いものでは、子供を健全な大人に育てられない。精神の糧も肉体の糧と同じく素朴で力強くなければならない。大家といわれるような人は、このことに充分気を配っていた。こうした栄養をとること。— 】(シューマン:音楽の座右の銘より) シューマンの言う通り、基礎的な訓練は確かに退屈で面白みを感じにくいかもしれません。あるいはバロック時代の大家の作品等は、子供にとっては難しく感じられるのも事実でしょう。しかし技術の習得のためにはどちらも避けて通ることができないものなので、生徒... 続きを読む
2019年2月9日
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流行
【大きくなったら、流行曲など弾かないように。時間は貴重なものだ。今あるだけの良い曲を一通り知ろうと思っただけでも、百人分ぐらい生きなくてはならない。】(シューマン:音楽の座右の銘より) シューマンの時代のいわゆる大衆的な流行曲は、その芸術性からみてクラシック音楽には遠く及ぶものではありませんでした。そのため彼はクラシック音楽が大衆受けを目指すあまりに芸術的価値を下げることを激しく攻撃しています。『新音楽時報』でもこの点に関する批評がかなりのウェイトを占めています。 現在では音楽のジャンル... 続きを読む
2019年2月3日
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無理な練習
【一日の音楽の勉強を終えて疲れを感じたら、もうそれ以上、無理に弾かないように。悦びも生き生きした気持ちもなしに弾くくらいなら、むしろ休んでいる方がいい。】—(シューマン:音楽の座右の銘より) 無理な練習がたたり、手を壊してしまった彼自身の経験からでしょうか、とても含蓄のある言葉ですね。私たちも1日○時間以上は弾かなくてはいけない、という義務感でピアノにしがみつくように練習してしまいがちですよね。 体が疲れれば集中力も失われ、演奏自体に喜びも感じられなくなり、果ては体を壊しでもして弾くことが... 続きを読む
2019年1月28日
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コンサート終了しました
昨日、「第33回 門下生によるピアノコンサート」が無事終了いたしました。 会場のパルテノン多摩 小ホールはとても音響の良い素晴らしいホールで、スタインウェイ フルコンサートピアノの華やかな音色が美しく響き渡りました。 出演者はそれぞれベストを尽くした熱演でしたが、さらなる課題が見つかった方もいるでしょう。また次回のコンサートに向けての良い糧になれば良いなと思います。 ご来場いただきました皆様には心より御礼申し上げます。(森直紀) 続きを読む
2019年1月21日
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1月20日 ピアノコンサート開催
『第33回 門下生 ピアノコンサート』がいよいよ明後日となりました 詳細は以下の通りです。 日時: 2019年 1月20日(日) 16:00 開演(15:30 開場) 会場: パルテノン多摩 小ホール 小田急・京王線・多摩モノレール 多摩センター駅 下車 徒歩5分 入場無料 曲目: ドビュッシー アラベスク 第1番、 水の反映 シューマン アラベスク、 ソナタ第3番 リスト メフィストワルツ 第1番 ショパン 幻想即興曲、 24の前奏曲 他 是非ご来場の上、出... 続きを読む
2019年1月18日
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初見
【いつも名人に聴かせるような気持ちで弾くこと。初見の曲を弾けと言われたら、まず終わりまで眼を通すこと。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 練習する時もいつも真剣に集中して、自分の最良の演奏を披露する気持ちを持つことは大切です。とはいうものの練習でいつも100%の気持ちを込めるのはなかなか難しいですね。ですから練習の成果を発表できる場をたくさん持つことが必要なのです。コンクールや発表会もいいですが、レッスンで先生の前で誠実に演奏することも良い機会と言えるでしょう。 また 初めての曲を弾く「初... 続きを読む
2019年1月13日
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人前での演奏
【弾くときには誰が聴いていようが気にしないこと。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 簡単にそう出来たらいいですね! ピアノの練習は普段一人でするものなので、他人が一人でもいると緊張してしまいがちです。それがコンサートやコンクールとなると多かれ少なかれ上がってしまうものです。中には人前で弾いても緊張しないタイプの人もいますが、周りの視線に影響されずに、いつも通りの演奏をすることは普通それほど簡単なことではありません。 要はどのような場でも動じない、しっかりとした集中力を身につけることが大... 続きを読む
2019年1月8日
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明けましておめでとうございます
2019年を迎え、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。 本年も皆様と音楽の素晴らしさを分かち合い、素敵な日々を送れるように努力していきたいと思います。 現在、私は神奈川では、月に2回のレッスンのみ行っておりますが、あと一年で現在の琉球大学での任期が終了し、常時、レッスンが可能となります。 ワンレッスンでの受講生の皆さんは、1月18日に銀座松尾ホールでのコンサート(非公開)を行い、リサイタルなどの次のステップに向けて研鑽を積みます。 私自身は1月20日11時30分より表参道カワイにて、日本スペイン... 続きを読む
2019年1月3日
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ピアノコンサートのお知らせ
『第33回 門下生 ピアノコンサート』 のお知らせ 日時: 2019年 1月20日(日) 16:00 開演(15:30 開場) 会場: パルテノン多摩 小ホール 小田急・京王線・多摩モノレール 多摩センター駅 下車 徒歩5分 入場無料 曲目: ドビュッシー アラベスク 第1番、 水の反映 シューマン アラベスク、 ソナタ第3番 リスト メフィストワルツ 第1番 ショパン 幻想即興曲、 24の前奏曲 等 是非ご来場の上、出演者一同の演奏をお楽しみください。 続きを読む
2019年1月3日
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読譜
【譜を見ただけで、音楽がわかるようにならなければいけない。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 優れた音感が身につくと、楽譜を見ただけで音楽が頭の中に聴こえるようになります。 20世紀の大ピアニスト、ワルター・ギーゼキングも自身のメソードの中でピアノを弾かずに楽譜を読み取る能力の重要性を述べていますが、彼が初めて弾くコンチェルトを演奏会場に向かう飛行機の中で譜読み、暗譜して完璧に演奏出来たというエピソードは有名です。 これは誰もが簡単にできることではなく、生まれつきの才能にも関わってきます... 続きを読む
2019年1月2日
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ソルフェージュ
【たとえ声が良くなくても、楽器の助けをかりないで、譜面を見て歌えるようになること。– そうすると、聴音がますます敏感になる。しかし、もしよく響く声を持っていたら、天が与えた最も美しい贈り物と考えて、さっそくそれを仕上げなさい。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 音高を正しく、ドレミファソラシドで歌うことをソルフェージュと言いますが、音感をつけるためにとても大切な訓練です。聴音の向上にもつながり、ひいてはピアノの演奏に必要な「歌心」を育てることにもなります。 またシューマンは、クララとの結... 続きを読む
2018年12月27日
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暗譜の方法
【自分の手がけている曲は、ただ指で弾けるばかりでなく、ピアノがなくても口で言えるようでなければいけない。想像力を大いに強化して、曲の旋律ばかりでなく、それについている和声も、しっかり覚え込めるようにならなければいけない。】(シューマン:音楽の座右の銘より) 現代ではピアノの独奏は暗譜で行いますが、バロック以前は自作以外の曲を演奏する時は譜面を見て弾かれていました。最初に暗譜でコンサートを行ったのはリストやクララ・シューマンだと言われています。 暗譜で演奏する行為には時として不安が伴うもの... 続きを読む
2018年12月20日
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調律
【いつも正しく調律された楽器を扱うこと。】(シューマン:音楽の座右の銘より) バロック時代のチェンバロ奏者は同時に作曲家でもあり、調律の心得もありました。当時の楽器は華奢だったのですぐに音程が狂ってしまうため、自分でする必要があったのでしょう。バッハもいろいろな種類の調律法を考案していたそうです。 近代になるとピアノの進歩に伴いそうはいかなくなり、調律師が生まれてきます。現代では調律ができるピアニストは少なくなり、ほぼ完全に分業化されています。 正しく調律されていないピアノを使用することは音... 続きを読む
2018年12月13日