星に願いたいこと

空に一番星が出ていました。


時々星を見たことがないという
お子さんがいます。

お住まいの場所によるのかもしれませんし、
もしかしたらおうちの方も
空を見上げる余裕もないほど
忙しく過ごしていらっしゃるのかもしれません。

そんな時、季節によっては
夕方早くから星が見えることもありますから、
「レッスンの帰りに、
おうちの方と探してみてね。」
と声をかけます。

すると翌週、
「すっごい光ってた！。」
「きらきらしてた。」
「宝石みたい。」
と街の光とは違う星の瞬きを
思い思いの言葉で嬉しそうに教えてくれます。

その時のお子さんの目は、
決まって星の美しさに負けないほど
きらきらと輝いています。


ピアノのレッスンの帰りに
おうちの方と星を見たこと。
大人にとっては些細なことかもしれませんが、
子どもたちは、
ずっと覚えていたりしますね。


じつは大人にも
星を見ることのメリットがあるそうです。
新潟青陵大学教授で
スクールカウンセラーもされている
碓井真史さんのよりますと、
星を見るためには
目線を上にあげるわけですが、
上を向くと人は元気になるのだそうです。


心が行動を作りますが、
行動も心を作るのだそうです。


ほかにも
星の光の揺らぎが癒しをもたらしてくれたり、
暗闇に輝く光は心を落ち着かせて、
希望の思いを起こさせて
くれたりするそうですから、
大人の私たちもたまには
蛍光灯の下を離れて
ちょっとベランダに出て見るのも
よさそうですね。


いろんな表情を見せてくれる空。
人の心にも空模様のように
いろいろな感情があり、
その気持ちの数だけ音楽があるとしたら…

言葉では言い尽くせないほどの
深い喜びや悲しみを感じる時も、
必ず寄り添い
応えてくれる音楽があるということ。


音楽も聴く余裕もないほど
大変なときもあるでしょう。
そんなときは静かに待っていてくれるのも
また音楽だと思います。


おうちの方と一緒に星を見たときの
嬉しい気持ち、
新しい発見をした驚き、
そんなお子様をあたたかく見守る
おうちの方の気持ち…
いろいろな思いをのせて、
なにかつらいことがあったときは
音楽が子どもたちを
いつまでも守ってくれますようにと、
願うひとときでした。



関東は毎日真夏日です。
どうぞお体に気をつけてお過ごしください。




星はなぜ心を癒すのか：癒しと希望の心理学　碓井真史　新潟青陵大学教授、スクールカウンセラー　より引用